記憶を失った鬼姫＊3rd＊

story.92 ページ6

Aside







上も終わった？







しかも、もう時期来るってどういうことなんだろう？





私はエンマ君を不思議な表情で見つめる




余裕そうな顔して笑ってる…。




私は分からないことだらけなのに…





エンマ君はこの事件を最初から分かってるの？




やっぱり凄いなぁ…、エンマ君は。







私は心の中でそう問いかけると、




エンマ「ん？どうした？A。」




彼は優しく微笑みながら、こちらを向いたので目が合ってしまった




うわぁ…、見ているのバレたかな？




だとしたら恥ずかしい…。





自分の顔を見られてたなんて知られたら、エンマ君はどんなふうに思うんだろう。







A「ううんｯ！何でもない！」




私は勢いよく彼の視線から目を逸らして、床に倒れ込むようにしゃがむ




今のすごい不自然だったよね…。




恥ずかしいな…、穴があったら入りたい…。





エンマ君、今どんな顔してるんだろう。





何を考えてるのかな。





きっと変な奴だと思われたよね？






俯きながらそんなことを考えていると、






エンマ「そうか。」





と、やけに重たい彼の声が聞こえてきた





私はハｯとして、ゆっくり顔を上げた





A「あ…。」





どうしてよ…、なんでまたその笑顔を浮かべてるの？




お願い、そんな寂しそうに笑わないで。






A「エ……」





私はエンマ君に声を掛けようとした時だった





彼は私の視線とは反対の方向を向いてしまう








エンマ「お…、悪いな。いつも助かる！」




彼の視線の先を見れば、前に会ったことのある妖怪が立っていた





確か…、カイラさんだっけ？






カイラさんは不機嫌そうな顔でエンマ君にこう返した







カイラ「別に構わんが…。そろそろ仕事に戻らなければぬらりひょんに気づかれるぞ。

身代わりを置いてきたとはいえ、バレるのも時間の問題だからな。」




そう言えば、カイラさんはチラリと私を見た




エンマ「ああ、分かってる！」





カイラさんの肩を叩きながらエンマ君は明るく言う




彼は女の子を担いでいた






カイラ「この少女で間違いないだろう？」



エンマ「ああ。」






一体どういうことなんだろう？




私は話についていけず、首を傾げる





エンマ「よし、あとはアイツに任せよう。オクレ。」





彼はそう言って指を鳴らした

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