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story.97 ページ11

エンマside




妖怪探偵団にお礼を言われ、頭を下げられた




エンマ「あ、いや…そのっ、顔を上げてくれ!」





俺は恥ずかしさのあまり、しどろもどろになってしまう





カイラの奴、俺をそんな風に思っていたのか。






カイラ「ふっ…。」




隣を見れば、めったに笑わないカイラが満足げに笑みを浮かべていた




はあ、全く…。




俺はふうっと息を吐いて、彼らを見る





エンマ「こちらこそだ。またいつでも呼んでくれ…。困ったときはお互い様だからな。」




そう言えば、ナツメたちは顔を見合わせて、嬉しそうな笑顔を見せる






皆「はいっ!」






温かい…。





気が付けば、俺の中にあったもやもやした思いはいつの間にか消えていた






ふと、遠い昔のことが脳裏に蘇る




かつて、自身が人間だった時の記憶だ



あの時は自分で何とかしようって一人で突っ走って、誰かに頼るということを知らなかった




結局は俺一人じゃ何も出来なかった




そう、アイツに会うまでは。




そうだったよな…




人間はとても温かくて、優しいんだ。





人一人の力は儚く、ほんの些細なものかもしれない




だが、それがたくさん集まればどうだろうか?





人は互いに支えあい、手を取り合って今日まで生きてきたんだ





人間は決して弱くない



どんな不可能をも可能にしてしまう無限の可能性を秘めているのだからな



俺は知っている



この目で見てきたし、経験上そう断言出来る




俺はナツメたちの姿が見えなくなるまで彼らの姿を見ていた




Aのこと、彼女の抱えているものをすべて受け止めるって決めたじゃねえか。




彼女の記憶が戻るまでずっと待つと…。






空亡の復活が迫ってるからって何焦ってんだ、らしくない。




冷静になれ、Aが不安になるだろう。





いつも通りでいいんだ。





記憶をなくしてでも絶望せず、前を向いて歩いているAの何気ない日常を壊させるものか。




これ以上、空亡の好きにはさせない。




俺はそう強く心に決めた

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桜柚季(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(≧∇≦)これからも更新頑張りますねっ!! (2020年7月22日 21時) (レス) id: ae92252d70 (このIDを非表示/違反報告)
- すごく感動しました!続きが楽しみです。応援してます! (2020年7月19日 12時) (レス) id: 3b9902adf1 (このIDを非表示/違反報告)
桜柚季(プロフ) - 水無月 リムさん» 長くなってすいません!水無月 リムさんもくれぐれもお気をつけください!コメントありがとうございました!! (2020年4月27日 8時) (レス) id: ae92252d70 (このIDを非表示/違反報告)
桜柚季(プロフ) - 水無月 リムさん» わあ、本当ですか!?ありがとうございます(><)嬉しい限りです!!よ、夜中一人で!?怖くないですか?そうですね。私も五月まで休校なので勉強についていけるか不安です。少しでも早くコロナが終息することを願うばかりです! (2020年4月27日 8時) (レス) id: ae92252d70 (このIDを非表示/違反報告)
水無月 リム - はじめまして あぁヤバイ目から水が溢れてる この話、感動シーン多くて、夜中一人で見てるのでもうもう…。 コロナが流行してますがお互い気を付けましょう!応援してます!! (2020年4月25日 1時) (レス) id: 7764573d87 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜柚季 | 作成日時:2019年11月14日 7時

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