失いたくないもの

episode.36 ページ38

イツキside






座敷「これからよろしくね、Aちゃん。」






A「こちらこそよろしくお願いします。」






二人はお互いの顔を見て、満足そうに笑い合っている






そんな二人の様子を俺たち三人はじっと見守っていた









なるほど…、そういうことだったのか。






ひとまず、一件落着したようで何よりだ。






さっきまでの不安が不思議となくなっていたことに気づく




なんの根拠もないが、何とかなるだろうという謎の自信があった




俺は安心したのか、自然に大きなため息がこぼれる







イツキ「よし、みんな！！玉藻前を倒す作戦を練る前に…まずはいったん休憩しようぜ。

臼田が夕食の準備をしてくれたみたいだから、続きはそれからにしよう。」







シン「うん、そうだね。腹が減っては何とかっていうし。」





タエ「わーい！ご飯だ！！」





猫又「大判焼きもあるニャンか？」





座敷「ええ〜、ありえな〜い。僕は美容にいいものがいいな〜♪」





臼田「ささっ、皆様こちらへどうぞ。」






そしてみんなゾロゾロと臼田の後をついていくように一斉に歩き出す






イツキ「んっ？どうした、A。」





俺は一向に歩き出そうとしないAに目が留まり、声をかける







A「ごめんなさい…。少し一人になりたいの。」





Aは寂しそうに笑って俺を見ていた




なんて顔してんだよ。




Aのその表情を見るだけでなぜだか胸が締め付けられる






A「大丈夫、すぐに戻るわ。」






イツキ「おい…A！！」







彼女はそう言い残して、俺に背を向けて外へ飛び出して行ってしまった









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≪作者から≫






大変ご無沙汰しております！




作者の桜柚季です。





最終更新日から時間がかなり空いてしまい、申し訳ありません。






今後も亀更新になるかと思いますが、温かい目で見守っていただけると幸いです。





これからもどうぞよろしくお願いします！

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