失いたくないもの

episode.11 ページ13

Aside





私は魂を吸い取った狐の妖怪に向けて妖力を最小限に抑えて標準を定める



だけど彼女は私に気づいてしまって逃げようとする





A「待ちなさい！！」




そう叫んだ時には狐の妖怪の姿はもう無かった





あと少しだったのに…







それもそうだけど、一つ気になったことがある




魂を吸い取られていた様子が"見えていた"のは私だけではなかった



事故現場に集まった人だかりで、その中にいたあの茶髪の少年



あの子にはどうやら"見えていた"ようだ





妖怪が元々見える体質なのか、なんだか人間なのに人間じゃないような妙な気配がした






いえ、それよりもあの狐の妖怪よね…







私はその場を後にする






妖怪が関わってるから、妖怪に聞き込みをした方が早いわね






私は少し歩いて、家の屋根の上でお団子を頬張っていた妖怪に声をかけた






A「あの、少しいいですか？」




？「うん？何？…なｯ！！」





年は私より少し上かな？





男の子の妖怪は振り向くなりお団子を落として、口をポカンと開ける







何か私の顔についてるのかな？





A「あの〜、大丈夫ですか？」




空いた口が塞がらない彼の前で私は掌をばたつかせてみせる




するとすぐ反応があって、私の手を握って目を輝かせる




え…？



何？？ちょっと怖いわ…




？「僕は座敷童子だよ。君はなんて名前なの？」




A「Aです。」




座敷要素が全くなし







座敷「突然だけど、僕は君に一目惚れしたんだ。

君が好きだ。僕と付き合ってほしい。」



一目惚れって何？



食べ物？



それに、好きって会ったばかりの初対面に？



変なことを言うのね



付き合うってどこに行くの？



色々質問したいのは置いておいて、



A「お断りします。」




と私は軽く頭を下げて、その場から離れようとする





座敷「僕に聞きたいことがあるんじゃないの？」





A「結構です。さようなら。」




私はきっぱりそう言って、その場を離れた




なんかあの座敷童子さんとは色々合わなそう←失礼




これがコミュ障ってやつなのかしら？




それにしても何だか寒いわね…




もう少し着込んでくればよかったかな…←冷え性

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