4輪 ページ5
一通り荷物を運び入れ、新たな私の部屋ができる。
私は物欲しかないので、部屋には物がぎっしり。
だけど、好きなものに囲まれるのは気分がいいので悪くはないと思っている。
その好きなものの中には、もちろんぶるーく先輩も含まれるわけで。
バレてはいけないと隠していたものを机の引き出しから取り出す。
『このときに戻りたいなぁ…』
その写真の中で私とぶるーく先輩は制服を着て楽しそうに笑っていた。
きっとこの頃の私が1番可愛かったんだろうな、なんて思う。
そんな思い出に浸っていると、扉が音を立てた。
br「入ってもいい？」
急いで写真をしまい、返事をする。
『どうぞ』
その声とともに部屋の扉を開けた先輩は紫色のアロハシャツのようなものを身につけていた。
それがあまりにも似合っていて、カメラを構えたい欲をなんとか抑える。
私服の先輩を見るのは初めてだから目が耐えられない。
こんなことにも慣れなくてはいけないのに。
br「夜ご飯、オムライスでもいい？」
『いいですよ』
br「……了解」
そう言って静かに扉が閉じられる。
完全に閉まりきる寸前に見えた彼の顔に寂しさがあるような気がして、見ないふりをした。
あぁ、ダメだ。
もう先輩じゃないんだから。
敬語も、先輩呼びも、何もいらない。
そっちの方が楽なはずなのに。
どこか寂しくて、1人で落ち込む。
『これからはお兄ちゃん、かぁ…』
すでに幸先不安すぎて心臓が休まることを知らない。
写真立てにに入ったその写真を抱きしめ、そっとキスを落とした。
『好きです、先輩』
『大好き、ほんとに』
『ほんとうに、大好きです、、』
こんなにも好きなのに、この想いを吐き出すことは許されない。
前まではすんなり出た言葉も今は吐く度に胸が苦しい。
蓋をすると決めたはずなのに。
同じ空間にいるだけでその蓋は簡単に開く。
私にはぶるーく先輩だけなのに。
大粒の雨が窓を叩きつける。
まるで私の気持ちを反映したような空模様によりいっそう気持ちが落ち込む。
止まることのない雨は、私の涙とよく似ていた。
自然とこぼれるそれを止めてくれるのはぶるーく先輩だけ。
もう一度、ぶるーく先輩と呼びたい。
貴方に好きと伝えたい。
そんな願いすら塵となって消えていく。
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ののあ(プロフ) - Kさん» こちらこそご覧いただきありがとうございます！最高という言葉嬉しすぎます…😭🤍 (2月25日 20時) (
レス) id: ca8d1d1062 (このIDを非表示/違反報告)
K - 最高の作品です……！！ 禁断の恋が結ばれて幸せになる瞬間……最高でした！！ あちがとうございます！！！ (2月25日 16時) (レス) @page17 id: ca68b6c668 (このIDを非表示/違反報告)
ののあ(プロフ) - もち米マンさん» 禁断の恋と言ったら義兄弟かな…と思いまして！笑ありがとうございます！更新頑張ります！！ (10月24日 18時) (レス) id: ca8d1d1062 (このIDを非表示/違反報告)
ののあ(プロフ) - Mさん» ありがとうございます！！そのにまにまとても嬉しいです🫶🏻🫶🏻めっちゃ頑張りますっ！！ (10月24日 18時) (レス) @page5 id: ca8d1d1062 (このIDを非表示/違反報告)
もち米マン(プロフ) - 新作ありがとうございます！今回も中々の禁断の恋ですね！これからも無理しない程度に更新頑張ってください(*´∀`) (10月23日 23時) (レス) @page4 id: 483e70a4e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののあ | 作成日時：2023年10月21日 15時
