第三譚「慣れ」 ページ5
突然だけど、実は私は今、良逸の家にお世話になっている
元々竈門家と我妻家は古くからの付き合いらしく、親戚・・・とまではいかないが、まぁ其れに近いくらいの間柄なのだとか
だから半年前、錬治郎以外の家族を
『ただいま帰りました!!』
私は未だに起きない良逸を背負ったまま、彼の家の引き戸を開けた
すると、其の音と私の声を聞きつけた一人の御老人が玄関まで迎えに来てくれた
「おぉ、帰ったかA」
此の御老人は良逸のおじいさん
仕事で家を空けがちな両親に代わって良逸の面倒を見ているらしい
自分にも他人にも厳しく、良くも悪くも容赦しない人だが、其れと同じ位優しさと愛情の入り混じった様な匂いがする人だ
「なんじゃ、良逸の奴寝とるのか」
『あ、いや私が頭突いて気絶させちゃったんです・・・すみません!』
「謝らんでいいわい。どうせ此の阿呆が人様に迷惑掛けたか騒いだか泣きついて離れんかったとかそういうことじゃろ?自業自得じゃわい」
ほぼほぼ正解なことを言うおじいさんに私は苦笑しかできなかった
いやでも私も私で悪いしな・・・
おじいさんは「全く頭突き程度で情けない・・・!」と呆れた様子で私が背負っていた良逸を剥ぎ取り其のまま米俵でも運ぶかのように小脇に担いだ
「良逸背負って帰って疲れたろう。ほれ、飯の準備出来とるからお前さんも早う上がれ」
『ありがとうございます!』
良逸を抱えて廊下を進む彼の後を追って私も靴を脱いで廊下を進んだ
・
おじいさんの後に続いてリビングに入ると、すでにテーブルの上に三人分の料理が並べられていた
本来こういった料理や洗濯といった家事全般は住まわせてもらっている私の仕事なのだけど・・・
なんか、申し訳なくなるなぁ・・・
「良逸飯の時間じゃ起きんか!!」
「ぐへぇ!!?」
そんなことを思っていると、隣で良逸がおじいさんに文字通り叩き起こされているのが見えた
最初此の光景を見た時は相当驚いたが、良逸殴られても全然ぴんぴんしてるし、正直半年もするとなんかもう見慣れてしまった
・・・慣れって恐ろしいな(遠い目)
『(あぁそうだ!良逸の頭冷やすもの持ってこないと・・・!)」
こぶが出来てるかもしれない
そう思い私は台所に向かった
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雹花(プロフ) - 返事送るの遅くなってすみません!!コメントありがとうございます! (2019年8月21日 7時) (
レス) id: ba0d1a5681 (このIDを非表示/違反報告)
ルルナナ(プロフ) - 面白いです！これからも更新頑張ってください (2019年8月16日 16時) (レス) id: f75b5a5c4e (このIDを非表示/違反報告)
雹花(プロフ) - コメントありがとうございます!何分受験生なもので夏休み終わったら更新遅くなるかもしれませんが引き続きお願いします (2019年8月9日 9時) (レス) id: ba0d1a5681 (このIDを非表示/違反報告)
レッド - この作品好きです 更新頑張ってください (2019年8月9日 8時) (レス) id: a3561912ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雹花 | 作成日時：2019年8月8日 13時
