君の隣で yuzuru H*

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｢ 真央は焼き肉が食べたい ｣




｢ 俺は、ハンバーグかシチューが好き。 ｣




｢ 夢ちゃんは何食べたい? ｣




｢ うーん...そうめんが食べたい。 ｣



昼食を摂るために、午前の練習をやめて



食堂に向かう途中。



大輔くんと真央ちゃんの間で楽しそうに笑う彼女。



その背中を追うように後ろを歩いていく。



楽しそうな声。



わかってる。



彼氏でもない癖に妬くなんて馬鹿げてる。



君の瞳のなかに僕は居ない。



なに、悔しがってんだよ。



こんな事に一々腹を立てている自分に腹が立つ。



苛立たしさの混じった溜息をついた。




｢ 羽生くん、


　何でそんなにイライラしてるの? 」




さっきまで先頭でお腹が空いた、



と走り回っていたはずの佳菜が隣に居る。




｢ ねぇ、佳菜。



　それ、誰の真似のつもり? 」




誰の真似かって事くらい分かってた。



でも、そう簡単に認めるわけにもいかない。




｢ Aちゃんの真似だよ! 」




佳菜、似てない。



似てなさすぎるよ。



そんな、僕の想いも虚しく、



佳菜の真似 (非似) は収まらない。



行き成り、肩を思い切りたたくと




｢ 大丈夫。


　佳菜は、ゆづの見方だから! ｣




そう言って高笑いをする。



何かのアニメヒーローの様な笑い方。



それでも僕にはそれがとても、心強く思えた。

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