君の隣で yuzuru H*

30* ページ31

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あれから、どれ位たったんだろう。



外はもう、茜色に染まっていた。



ただ、外を見つめているだけ。



ただ、心臓が一定のリズムを保ちながら動き続けているだけ。



苦しくてたまらなかった。



ドアが開く音



でも、私は金縛りに掛った様に体を動かす事が出来ない。



誰....?



でも、それは誰だかすぐに分かった。



あの人特有の歩き方に足音。




｢────っ、


　大輔くん、っ! ｣




ドアに背を向けて置いてあった椅子から立ち上がり



堪らず、彼に抱きついた。



いつも私を一番に助けてくれるのは、



大輔くん。あなただったよね。




｢ 足音で気付くなんてすごいな、


　流石、A。」




そう言って頭をそっと撫でた。



大輔くんの手は魔法の手。



我慢してた物が全部溢れ出す。



汚い感情も、無理やり押し込んだ感情も。



何も言わず、ぎゅっと抱き寄せられれば、



全部全部、言葉となって、涙となって形になる。




｢ 大輔くん、


　ごめんなさ、い


　大輔くんは悪くないのに...! 」




離れた2人の体。



涙の筋を残して行く私の頬にそっと触れ、



滴をそっとすくい取るともう1度。



優しく強く私の体を引き寄せた。

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