君の隣で yuzuru H*

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たけど、私はやっぱりいつものようには振る舞えなかった。



練習をしていても感情が入らない。



上手くいかないと悔しくなるはずなのに、何とも思わなかった。



スケートをしたいと思えなかった。



" 無気力 " だた、それだけだった。



駄目だ。このまま、続けてちゃいけない。




｢ コーチ。


　暫く、部屋に戻って居てもいいですか? ｣




練習が始まって1時間。




｢ そうみたいね。


　やる気がないのは周りにも迷惑なんだから、


　帰った方が他の選手が喜ぶしね、そうしなさい。｣




口が悪いのはコーチのくせ



いつもなら、その酷い言われ様に悔し涙を流し、



その悔しさと惨めさから練習に励んでいた。



けれど今はそれどころじゃない。




｢ そうします。｣




いつもと違いすぎる私の態度に



目を見開くコーチ。



本当にどうでもよく感じてしまう。



ただ、スケートに頭が回らない。



私は、唖然としたままのコーチに、



小さく会釈して、リンクを背に歩き出した。



途中で私を追いかけてきた大輔くんの手をはねのけ、




｢ ごめん。構わないでくれる?


　今は、話したくない気分だから。」




そう一言。顔も見ずに冷たく言い放った。



リンクを出た瞬間に一粒だけ零れ落ちた涙は、



誰にも気付かれる事もなく私の頬を伝っていった。

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