君の隣で yuzuru H*

22* ページ23

･




｢ お腹すいたぁ! ｣




｢ 佳菜ちゃん慌てすぎ ｣




｢ 真央は焼き肉が食べたい ｣




｢ 俺は、ハンバーグかシチューが好き。 ｣




｢ Aちゃんは何食べたい? ｣




｢ うーん...そうめんが食べたい。 ｣




｢ 季節感がやばいね ｣




｢ 夏!そうめん!!みたいな感じで ｣




｢ 笑わなくていいじゃん!! ｣




練習が終わり、



食堂までの廊下を歩いてゆく。



あの後、二人で滑ったけれど、



ドキドキして顔も見れなくて。



それでも、やっぱり



当たり前だけどスケートが物凄く上手で。



二人で滑る事。



凄く緊張したのは事実。



それでも、一つ。



自分の欠点を発見できたのも事実。




" 真剣になり過ぎると楽しさを忘れてしまう"




羽生くんが私に教えてくれた事



知らない振付を、エスコートしてくれる



恥ずかしさと驚き。



嬉しさと憧れ。



今は不格好な振りも、



いつかは、完璧に踊れるようになりたい。



" 一人の選手 "として君の隣で



誰もが羨む様な完璧な滑りをしたい。



練習の時のあの悔しさも醜い感情も、



君の優しさにゆっくり溶けて、消えていった。

23*→←21*

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す