54 ページ8
モビー・ディック号は、その日のうちに島に到着した。
私は白ひげ様の部屋に向かう。
『白ひげ様、Aです。入ってもよろしいですか？』
部屋の前でそう声をかけると中から｢入れ。｣と聞こえた。
『失礼します。』と部屋に入り、扉を閉める。
久しぶりに白ひげ様と対峙し、やはりこの人は偉大だと改めて感じさせられる。
｢A、この島には5日ほど滞在しようと考えてる。
お前も1度島を見て回れェ、自由に過ごして構わねぇ。｣
そう言われ、『その事ですが、、』と話を切り出す。
その時だった。
｢親父！！海軍だ！！この島の裏の方にたまたま来てたみたいだ！偵察の時には見つけられなかった！！｣
とクルーが部屋に入ってきた。
｢海軍だァ？何だ、大将でもいるのかァ。｣
そう聞かれると、クルーは
｢いや、多分ありゃ中将だ、、。
だが、海軍の船は2隻ある。人数は結構いそうだぜ。｣
と答える。
するともう1人クルーが部屋に駆け込み、
｢先に島に降りてたうちの船員が何人かやられてる！
ナースも捕まったかもしれねえ！！｣
そう叫ぶ。
Aは白ひげ様が何か言うのも待たず、部屋を飛び出した。
武器庫へ走り、1人での鍛錬で使い慣れた剣を1本手に取り、甲板にかけ上る。
船の外では、既に戦いが始まっている。
白ひげ様も甲板に上がってくる。
｢A、お前、何持ってやがる、、。｣
そう言われ、Aは白ひげ様の方を向く。
『白ひげ様、、。私、、私を、貴方の娘にしてください。
私は、みんなのために、戦いたい。戦力として、この船に、、置いてくれませんか？？』
そう言うと、白ひげ様は
｢お前にそれが使えるのかァ、、？
海賊はヒーローごっこじゃねえぞ。お前に、ウチで戦えるだけの価値はあるのかァ？？｣
そう聞かれ、Aは『私は、、！』と口を開く。
だが、その声は｢奥の船だ！！奥の船にナースがいるかもしれねえ！｣
という叫び声にかき消される。
｢自分の価値は自分で示せ、、｣
そう、白ひげ様が私に言った。その顔はニヤッと笑っている。
『はいっっ！！』
私は返事をしてすぐに船を飛び降りた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 339人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おにく(プロフ) - まゆさん» まゆさん、コメントありがとうございます。感想とても嬉しいです。¨̮続きのお話を早くお届け出来るよう頑張ります！ (10月28日 21時) (
レス) id: 8f4a81aee6 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - キュンッとしたり切なくなったり、心が動かされてとてもお話でした。続きがすごく気になります！！ (10月28日 18時) (レス) @page37 id: 9f951b305f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おにく | 作成日時：2023年10月12日 15時
