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24話(柳田将洋) ページ25

こうして目の前でメニューをじっと真剣に見て悩んでいるAちゃんを見ると、やっぱり歳下の女の子なんだなぁと思う。


こないだ練習で、祐希を見つめていた横顔。
あの時の表情はとても大人びていてドキッとしたけれど、待ち合わせからお店に入るまでに見せた驚いた顔なんかは年相応な様子でとても可愛らしかった。



「何頼むか決めれた?」


「うーん・・・二択まで絞ったんですけど」



眉を寄せて困ったように小首を傾げるAちゃん。
メニューを選ぶだけなのに表情豊かで、ただ見ているだけなのに不思議と全然飽きそうな気配がない。



「どれとどれ?」


「これと、これです。どっちも美味しそうで〜」


「あ、こっちの俺が頼もうと思ってたやつ。・・・半分こする?」


「え!いいんですか!?」



キラキラした目でこちらを見てくる表情からは本当に嬉しそうな様子が伝わってきて、思わず笑いがこみ上げてくる。

こんな素直なAちゃんだから、祐希がほっとけないんだろうなぁ。あんなに会わせようとしなかった過保護な祐希の態度も、今なら分かるような気がした。



「それくらい全然いいよ(笑)あ、俺お酒飲んでもいい?」


「わ〜ありがとうございます!どうぞどうぞ!
あ、わたしアイスティーでお願いします」



注文を終えると、余程嬉しかったのかAちゃんはまだニコニコと満面の笑みを浮かべている。

耐えきれずにまた笑うと、今度は顔を少し赤く染めて拗ねたようにこちらを見てきた。



「マサさん、笑いすぎです・・・」


「っふ、だってあまりにも嬉しそうだから」


「〜〜っもう!この話終わりにしましょう!
違う話題、違う話題・・・あ、そうだ。こないだタカくんが、マサさんに元気がない気がするって心配してましたよ?ひょっとしてまだ腰、悪いんですか?」



Aちゃんはしばらく赤い顔のままだったけど、今度は心配そうにこちらを見て話し始めた。



「え、タカが?腰はあの日だけでもうなんともないんだけど・・・なんだろう?全然心当たりがないや」


「なんかいつもよりLINEの返信が遅いとか、元気がなさそうって言ってたんですけど・・・」


「あぁ・・・・・・」



多分、あの練習の日の後のことだ。
あの日のAちゃんのことが頭の片隅から離れなくて、しばらくボーッとしてしまっていた気がする。



「ちょっと練習が立て込んでたからかな。なんともないから大丈夫だよ」


「そうなんですね・・・よかった・・・」

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作者名:のの子 | 作成日時:2015年12月14日 13時

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