欠落しているから、彼らは美しい ページ8
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Aの一時の休息は、炭治郎の修行の手伝いで幕を閉じた。炭治郎は修行を重ねる毎に、少しずつ全集中・常中が出来るようになってきていた。
伊之助や善逸が稽古に来ないことを寂しがっていた炭治郎の為に、Aはお節介にも逃げた二人をグイグイと稽古場へ引っ張って行けばそれはもう伊之助にカンカンに怒られた。怒られてそのまま逃げられてしまった。彼らはどれだけ稽古をしたくないのだろう
カナヲとも上手く喋れないまま、Aは鴉からの通達でまた新しい任務へと出向いていった。懸命に自分に手を振る炭治郎やなほちゃん達を見て、Aは少しだけ寂しいという感情を覚えた。
＊
「A！仔細報告！任務ノ仔細！報告！急ゲ急ゲ！」
「分かってる。妖子丸煩い…」
本部へと向かうべく、Aはのろのろと足を進める。任務続きで疲れ果てている少女とは反対に元気いっぱいに飛び回る鎹鴉をAが冷たくあしらえば、鴉は「ナンダト！」とプンプン怒りだし、少女の頭をツンツンつつき始めた。
共に暮らすようになり、Aは自身の鎹鴉の扱いにも随分と慣れてきていた。甘えたい時に甘えさせ、元気な時は適当に話を合わせる。そうすると大抵この鴉は上手いように解釈をしてくれるのだということを少女は卑しくも学んでいた。
「報告は以上です。失礼しました、」
本部にてAの仔細報告を聞いたのは、当主産屋敷耀哉ではなく彼の妻のあまねだった。どこか哀愁の漂う彼女を、Aは美しいと感じた。
お館様、産屋敷耀哉の病は悪化する一方だった。だんだんと起き上がることも出来なくなってしまっているらしく、その話をする隠や隊士はとても心配そうにしていた。
彼の一族は皆、呪いのように寿命が短いのだそう。だから当主が生きている間に次の当主を作らねばならない。
自身より少し幼いだけの耀哉の子供達を見て、Aの中には哀れみに似た感情が湧き上がった。
「(次の任務はいつだろうか、)」
カランと鳴る下駄の音を聞きながら、Aは非番の間をどう過ごすか考えた。また蝶屋敷に戻ろうか、それとも一度次郎丸さんの元へ帰るべきか、そういえば刀の調子を見て欲しいと上鉄穴さんに手紙を送っていたな
うーむとAが小さな頭を悩ませていると、背後からいきなり大きな声で名前を呼ばれる。あまりにも大きすぎる声に肩に乗っていた鴉が驚いてバサバサと飛び上がった。
「安食少女！！久しいな！」
「んぇ、？」
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神(プロフ) - 素晴らしい作品ですね。表現の仕方や文章体等がとても私好みでこのような作品、作者様に出逢た事を嬉しく思います。更新楽しみにしてますが、このご時世ですのでお身体に気を付けて下さいませ！ (2020年8月2日 9時) (
レス) id: 7ce36be9af (このIDを非表示/違反報告)
Regulus(プロフ) - とっても面白いです！更新楽しみにしてます(((o(*ﾟ∀ﾟ*)o))) (2020年4月7日 12時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
瑞姫 - 素敵なお話ありがとうございます。炎柱の継子になるんでしょうか？楽しみにしています。 (2019年10月17日 13時) (レス) id: 4cdf8b95a1 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ - ドチャクソ面白い………更新頑張ってください！ (2019年9月30日 16時) (レス) id: ffbf18fb0d (このIDを非表示/違反報告)
飴李(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！応援してます！ (2019年9月26日 3時) (レス) id: 3704481379 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しきみ | 作成日時：2019年9月23日 18時
