何度でも、同じ話をしよう ページ7
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「…瓢箪？」
屋敷の縁側に座り、Aの持ってきたみたらし団子をモグモグと食べる炭治郎の横で、Aは不思議そうに彼の横に置いてある瓢箪を覗いた。炭治郎の話では、しのぶの全集中の呼吸の稽古で瓢箪を吹かせるという行為が行われるそうだ。
珍しい訓練だなとAはまじまじと瓢箪を見つめた。
「カナヲはこれを破裂させられるらしいんだ…俺にはとても難しくて、」
「へぇ、」
全集中の呼吸を続ける為には並大抵の力だけでは続けられない。何よりも肺を強く体により空気を巡らせられるようにしなければならない。Aは修行時代に次郎丸の言っていた事を思い出す。
「Aも全集中の呼吸を続けてできるのか？」
「ん、瓢箪は吹いたことないけど続ける為の稽古はしてた」
「じゃ、じゃあ手本にしたいからこの瓢箪破裂させてみてくれないか、？」
先程は顔を赤くしていたくせに今度は炭治郎がずいと顔を近づけてくる。Aは炭治郎の赤い瞳を見つめながら「顔、ちか」と思わず声が出そうになるのを押え、コクリと頷いた。
キュポっと瓢箪の蓋を取り、口元に開け口を持っていく。スゥとAが息を吸う姿を、炭治郎は真剣な眼差しで見つめた。
緊迫した空気が流れる中、Aはフッと吸い込んだ息を瓢箪に向かって吐き出す。すると瓢箪はバンっと大きな音を立てて意図も簡単に跡形もなく破裂した。そして瓢箪が受け止めきれなかった衝撃波が辺り一面にボォッと吹き渡る。
「…こんな感じ、？」
粉々になった瓢箪の欠片が地面に落ちる。炭治郎は口をあんぐりと開けて、目の前の少女を目が飛び出るのではないかと言うほど見つめた。想像以上の衝撃と、自分より年下の少女が簡単にこなしてしまった事のショックに炭治郎は上手く言葉が出せなかった。
少し力を入れすぎただろうか、と何も言わない炭治郎にAはだんだんと焦ったように眉間に皺を寄せた。その少女の顔に炭治郎ははっとすると今度は凄い凄いと興奮したようにAの手を取った。
「A！今のはどうやったんだ？！凄い風がビューって来たぞ！」
「うー、ん」
「凄いなぁA！凄い凄い！」
沢山自身を褒めてくる炭治郎に、Aは悪い気はしなかった。寧ろトクトクと心臓が揺れて、喜びに似た感情が湧き上がってきていた。
わー！とブンブン腕を振る炭治郎を見て、少女は珍しくも小さく笑っていた。
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神(プロフ) - 素晴らしい作品ですね。表現の仕方や文章体等がとても私好みでこのような作品、作者様に出逢た事を嬉しく思います。更新楽しみにしてますが、このご時世ですのでお身体に気を付けて下さいませ！ (2020年8月2日 9時) (
レス) id: 7ce36be9af (このIDを非表示/違反報告)
Regulus(プロフ) - とっても面白いです！更新楽しみにしてます(((o(*ﾟ∀ﾟ*)o))) (2020年4月7日 12時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
瑞姫 - 素敵なお話ありがとうございます。炎柱の継子になるんでしょうか？楽しみにしています。 (2019年10月17日 13時) (レス) id: 4cdf8b95a1 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ - ドチャクソ面白い………更新頑張ってください！ (2019年9月30日 16時) (レス) id: ffbf18fb0d (このIDを非表示/違反報告)
飴李(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！応援してます！ (2019年9月26日 3時) (レス) id: 3704481379 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しきみ | 作成日時：2019年9月23日 18時
