陽だまりの楽園で ページ6
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Aが屋敷の庭園へと足を運ぶと、炭治郎が中央で瞼を閉じて精神統一のようなものを行っていた。瞑想に近いその行為に、Aは感心しながらも少年の側へと近づく。
集中している炭治郎が珍しく、Aはまじまじと顔を覗き込む。普段はあまり感じないが、よく見れば彼はやはり禰豆子に似ていた。兄弟なのだから、それは当たり前のことなのだが。
Aが気配を消してるせいもあるが、一向に此方に気づかない炭治郎に少女の中でむくむくと悪戯心が芽生えてきた。Aはずずいと炭治郎の耳元に顔を近づけると空気をスっと肺に溜め込む。
そしてそれを吐き出すようにして口を開け、「わっ！」と屋敷中に響く程の大きな声を出した。
「うわぁ？！！」
流石の炭治郎もその大きさにビックリし、目を開く。善逸程耳が良ければ鼓膜が破れていたかもしれない。目を見開いた炭治郎はAとの顔の近さに驚き、顔を赤くして後ろへと尻もちを着いた。
「ッA？！」と目を見開く炭治郎にAは「うん」とだけ答えて炭治郎を立ち上がらせた。驚いた顔をしていた炭治郎は、今度は酷く嬉しそうにして再度少女の名前を呼んだ。
「A！おかえり！」
「ただいま。炭治郎、体は大丈夫？」
Aの問いかけに炭治郎は元気に応えると、少女を上から下まで眺めて安否を確認した。傷を作っていない事が分かると、更に安心したように脱力する。
それから今度はムッと少しだけ顔を顰めてAの肩を掴んだ。
「A！手紙を送っていたのに返事をくれないなんて酷いぞ！胡蝶さんの話を聞くまでAの安否が分からなくて凄く怖かったんだからな！」
「あー、う、ごめんなさい」
確かに炭治郎達の鎹鴉からは任務の度に手紙が届いていた。2週間程屋敷に戻らなかった時なんて粗毎日送られてきていた。しかしAは炭治郎や善逸のように、沢山文を考えられない。ゆっくり手紙を書いている間に新たな手紙が来て、処理しきれなかったのだ。
「でもちゃんと全部読んだよ」
嘘はついていない。ちゃんと読んだ。自分が、と言うよりは自身の鴉に読み聞かせて貰ったという方が正解に近いが。それでも送られてきた手紙はちゃんと大事に持っているし、読み返したりもしていたのだ。
懸命に手紙の内容を話すAを見て炭治郎は顔を綻ばせ、「顔が見れてよかった」と優しげに微笑んだ
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神(プロフ) - 素晴らしい作品ですね。表現の仕方や文章体等がとても私好みでこのような作品、作者様に出逢た事を嬉しく思います。更新楽しみにしてますが、このご時世ですのでお身体に気を付けて下さいませ！ (2020年8月2日 9時) (
レス) id: 7ce36be9af (このIDを非表示/違反報告)
Regulus(プロフ) - とっても面白いです！更新楽しみにしてます(((o(*ﾟ∀ﾟ*)o))) (2020年4月7日 12時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
瑞姫 - 素敵なお話ありがとうございます。炎柱の継子になるんでしょうか？楽しみにしています。 (2019年10月17日 13時) (レス) id: 4cdf8b95a1 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ - ドチャクソ面白い………更新頑張ってください！ (2019年9月30日 16時) (レス) id: ffbf18fb0d (このIDを非表示/違反報告)
飴李(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！応援してます！ (2019年9月26日 3時) (レス) id: 3704481379 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しきみ | 作成日時：2019年9月23日 18時
