病は気からと言うけれど ページ3
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彼は一体誰でしょうか。Aは自身の丸い目を更に丸くさせて、善逸の隣の布団で脱力したように沈む猪頭を見つめた。
あまりにも覇気が無さすぎる。昨日までの彼は、どこに行ってしまったのだろうか。「本当に伊之助、？」とAが問えば、炭治郎は又もや微妙な顔をしながらコクリと頷いた。
「伊之助、もし、大丈夫？」
「なんか今凄い落ち込んでるみたいなんだよね。喉もガラッガラでさぁ」
「…」
山で彼の身に何があったのだろう。Aが伊之助の側へと近づけば、猪頭が少しだけピクリと動く。どうやら意識はあるようだ。Aが懸命に「伊之助、伊之助」と名前を呼べば、猪頭の鼻先からか細くまた酷く濁った声で「大丈夫ダヨ」と返事が返ってくる。完全に喉が潰れている
普段と違いしおらしい伊之助が面白いのか、善逸は口元に服の裾を当てて「ウィッヒヒ」と変な笑い声を上げた。なんだその気持ち悪い笑い方
ウィッヒウィッヒと笑う善逸を炭治郎と共に神妙な顔つきで見つめていると、いきなり部屋の扉がバァンと勢いよく開かれた。その音に、その場にいた全員がビクリと体をを跳ねさせて恐る恐る扉の方へと顔を向ければ、鬼の形相でキッと此方を睨む先程の二つ結びの少女がいた。Aは自身が部屋に案内されていた事を今更思い出し、「あ」と声を漏らす。
「ちょっと貴方！なんでこんな所にいるの？！貴方の部屋はここじゃないわよ？！」
「すみません…」
「それに貴方も！いい加減薬飲んでください！元の体に戻らなくても本当に知りませんからね？！」
「ひ、ひぇぇ怖いよぉ！炭治郎助けてぇ！」
「善逸…」
ずんずんと部屋に入り、怒涛の勢いで少女はAや善逸に声を上げる。Aは迷惑をかけてしまったと眉を下げて謝ると、そのまま腕をとっ捕まえられ「行きますよ！」とズルズルと引っ張られていった。
「全く！勝手な行動は謹んでください！」
「はい、」
「貴方はこれから先に検査を行ってもらいます！無傷とはいえ、あの山に入ったのですから何かあっては困りますからね」
「は、い」
傍から見れば飼い主に首根っこを掴まれた猫のようだ。少女はそのまま別の部屋へポイとAを投げ入れると「絶対ここにいてくださいよ！」と眉を釣りあげて念を押した。Aはその言葉にこくこくと何度も頷き、近くにあった椅子へと腰掛ける。
キュルキュルと鳴ってしまった腹を押さえながら、早く検査が終わる事を願い、ブラブラと足を振った。
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神(プロフ) - 素晴らしい作品ですね。表現の仕方や文章体等がとても私好みでこのような作品、作者様に出逢た事を嬉しく思います。更新楽しみにしてますが、このご時世ですのでお身体に気を付けて下さいませ！ (2020年8月2日 9時) (
レス) id: 7ce36be9af (このIDを非表示/違反報告)
Regulus(プロフ) - とっても面白いです！更新楽しみにしてます(((o(*ﾟ∀ﾟ*)o))) (2020年4月7日 12時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
瑞姫 - 素敵なお話ありがとうございます。炎柱の継子になるんでしょうか？楽しみにしています。 (2019年10月17日 13時) (レス) id: 4cdf8b95a1 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ - ドチャクソ面白い………更新頑張ってください！ (2019年9月30日 16時) (レス) id: ffbf18fb0d (このIDを非表示/違反報告)
飴李(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！応援してます！ (2019年9月26日 3時) (レス) id: 3704481379 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しきみ | 作成日時：2019年9月23日 18時
