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時透くんが優しい ページ6






「A!」

「時透様…」


本部で渡された資料を纏めていると、いきなり背中にずしりと重さが加わった。振り返ると、霞柱の時透無一郎がにこにこと無垢な笑顔で、Aの背中に抱きついていた。誰に対しても興味を示さないと隊士の間で噂になっていた彼が、何故か最近一人の少女によく構っているのだ。否、構ってもらっていると言った方が正解になるかもしれない。


「また雑用やってるの?Aは強いんだから、そんなの他のやつに押し付けなよ」

「これは私に命じられた任務ですので…そういう訳には…」

「それに敬語だっていらないよ。Aは僕より年上でしょ」

「はぁ、時透様は柱なのですから、敬意を払うのは当たり前です」


Aが資料に目を通しながらそう答えると、無一郎はむぅと頬を膨らませた。そして構え構えと少女の背中に頭を押し付け、猫のように唸りだした。以前の彼ならば、こんなことはしなかっただろう。一人の少年によって、ここまで変わってしまうとは本当に驚いたものだ。


「この通り私は時透様のお相手ができません。別の方のほうへ行かれては」

「嫌だ。僕はAと一緒にいたい」


そういうと今度は横にすとんと座り、少女から資料を奪い取った。Aは「あ、」と目を丸くしながら無一郎の顔を見つめる。


「二人でやったらすぐ終わるでしょ?そしたらAが僕に構える」

「全く貴方は…」


彼がどうして自信にここまで構うのか、Aは全く検討がつかない。そもそも彼が記憶を取り戻す前の時は、名前しか知らなかったし、同期の話で不思議だけど冷たい少年だということしか聞いていなかった。しかし会ってみれば彼は無邪気で、年相応な子供のようだ。

これは自分の前だけなのか、心を許したものだけになのかは分からないが、少女は自身に甘えてくるこの少年との時間をほんの少しだけ心地よく思っていた。



「僕、Aが大好きだよ」

「……ふふ」

「あ、やっと笑ったね」




彼がどんな人だろうと、関係ないじゃない。今、この平和な時間さえあるのなら。



君と、こうして笑っていられるだけで














優しいけれどちょっぴり我儘





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チョコ - 更新楽しみにしています! (2019年11月3日 22時) (レス) id: 156c93a62a (このIDを非表示/違反報告)
ポンポネッラ(プロフ) - 私も最近になって本誌派に切り替わったのですが、展開が辛すぎて.......泣きっぱなしで常に情緒不安定です。無一郎推しとしては地獄でしたあ(遠い目) (2019年10月23日 14時) (レス) id: 96af192ec7 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - お館様のエロみてみたい・・・お願いします (2019年10月21日 13時) (レス) id: b6b3e612da (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - 煉獄さん……なんかキュンキュンしちゃう鬼舞辻のエロもありだ……お願いします (2019年10月16日 11時) (レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
お餅 - 煉獄さん…なんか…うん…好きだぁ… (2019年9月21日 23時) (レス) id: 62210c11db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しきみ | 作成日時:2019年8月3日 14時

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