嫉妬しいな炭治郎 ページ13
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炭治郎が怒ってる。それはなんとなく分かっていた。いつもは優しい声で話してくれるのに今日はずっと微妙な顔で突っぱねたような声で、しかもあんまり返事をしてくれなかった。自分がなにかしてしまったのだろうか、と思わず謝罪を述べれば炭治郎は更に顔を顰めた。彼が私に何を求めているのか全然分からない。こういう場合はどうすれば良いのか、善逸くんに聞いておくべきだった
「 炭治郎、本当にどうしたの?私、貴方が分からない」
「っAはいつもそうだ!わからないわからないってそうやって眉を下げて、それで俺に許してもらおうとする!」
「だって炭治郎何も言ってくれない。私は笑顔の炭治郎と話したいのに」
「何かあるなら話してよ」と炭治郎の羽織の裾をそっと掴む。それを見た炭治郎は今度は少し悲しそうな顔をした。下から炭治郎の赤い瞳をじっと見つめると炭治郎の顔はみるみる瞳よりももっと赤く染っていって、なんだかその姿が酷く可愛く見えた。顔を赤くした炭治郎は今度は私の腕をがしりと掴んでそれはそれは大きな声を上げた。屋敷中に聞こえるんじゃないかってくらい大きい声。
「君は!そうやって甘えたように可愛らしく他の男にも話しかけるじゃないか!小首を傾げて優しい音を鳴らして、俺はそれが嫌なんだ!」
「?私、炭治郎以外の男の人とはそんなに話さないけど」
「善逸や伊之助とは話すだろう!それに冨岡さんとも!」
「あの二人は炭治郎のお友達だし、義勇さんは私のお師匠様だよ?駄目なの?」
「駄目というか!あぁ、もう!」
何故だ何故だと言う私に痺れを切らしたのか、炭治郎はグイッと私を強く引き寄せた。あ、顔が近い。そう思った刹那、炭治郎の唇と私の唇が重なってしまった。所謂接物というやつ。普段は恥ずかしくて絶対人気のない所でする彼が、とても大胆だ。ちゅっという可愛らしいリップ音と共に唇が離れる。目を見開いた私とは正反対に炭治郎はいたく真剣な眼差しで私を見つめた。
「嫉妬したんだ。善逸にも、伊之助にも、冨岡さんにも」
「たんじろ、」
「カッコ悪いかもしれないけれど、君を誰にも取られたくないんだ。」
そう言ってギュッと私を抱きしめる炭治郎には戦いでのカッコ良さはあまり見られず、母に縋る子供のようにも見えた。私の肩口に擦り寄る彼の頭をそっと撫でる。なんて愛おしいのだろうか
「炭治郎の馬鹿。私はずっとずっと君しか見てないんだからね」
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なんて一途で愛らしい
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チョコ - 更新楽しみにしています! (2019年11月3日 22時) (レス) id: 156c93a62a (このIDを非表示/違反報告)
ポンポネッラ(プロフ) - 私も最近になって本誌派に切り替わったのですが、展開が辛すぎて.......泣きっぱなしで常に情緒不安定です。無一郎推しとしては地獄でしたあ(遠い目) (2019年10月23日 14時) (レス) id: 96af192ec7 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - お館様のエロみてみたい・・・お願いします (2019年10月21日 13時) (レス) id: b6b3e612da (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - 煉獄さん……なんかキュンキュンしちゃう鬼舞辻のエロもありだ……お願いします (2019年10月16日 11時) (レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
お餅 - 煉獄さん…なんか…うん…好きだぁ… (2019年9月21日 23時) (レス) id: 62210c11db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しきみ | 作成日時:2019年8月3日 14時