【実況者】お前の罪を歌え【MILGRAM】 (ページ10)

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7.囚人番号003＿自己紹介ページ10

「…俺の担当看守さんめっちゃキレイっすね！！」

「開口一番がそれかぁ」

＿＿＿＿＿003番はこれでもかというほど”驚くぐらいに特徴がなさすぎる”囚人だった。
確かにソーラさんを見てはしゃいでいるはずなのに、本当にそうなのか納得し難いハイライトの無い目と平坦すぎる声。感情の起伏が見えなかった。喜んでいるにも悲しんでいるにも該当しない、なにかがずっと垣間見えているのに掴めない。
もちろん囚人服は白生地に無数の黒ベルト。違う点は、首周りは薄い白生地で隠されているのと、袖口が浴衣のようになっていることだろう。広々とした袖からは割と肉付きが良い腕が見えるが、その腕はグレーのインナーで隠されている。ズボンはズッているように見えるほど長かった。

紺色に近い青いツヤツヤした髪は、雑にショートに切りそろえられている。明度低めで彩度高めの綺麗な青い瞳は瞼によって半分見えなくなっていた。目の下にちらりと隈が見える。猫背であまりこの空間に対し、やる気がなさそうであった。

「自己紹介やんの？マジで…えー俺こういう学校でもあったやつ苦手なんだけど…
つか看守からの自己紹介まだじゃん！おら！自分たちだけしないってどういうことだよ！」

「あーいやまぁそれは！あとでやるから！とりあえず囚人たちからやって！！」

「納得いかん…」

ぶーぶーと文句をたれながら、面倒くさそうに口を開いた。

「…囚人番号003、らっだぁでーす。最後のあは小さいあだからね、そこんとこヨロシク。
年齢は32…元妻持ち…あっ性別か。いや分かるくない？え、じゃあ女の子とか言っちゃおうかいっだい？！？！」
「………。」
「『しにがみと同じにおいがしたから』だってさ」

またふざけすぎていると判断したのか、また電撃の鉄槌を下すクミさん。なんでアレバチバチ言ってるんだろう。

「いやいや俺は001番とは全然違いますから！ ……はいちゃんとやります。男です。らっだぁ基準の呼名だったら別に特にこだわりはないけど…基本的に呼び捨てされてたからそっちのほうが慣れてるかな… まぁとにかくあのピンクの看守さんと仲良く出来るならいっかなあ…よろしくお願いします」

最後までなんだかソーラさんを口説くような言葉を発していたが、ソーラさんは振り向きもせずらっだぁを牢へと放り入れた。