【実況者】お前の罪を歌え【MILGRAM】 (ページ48)

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37.らっだぁとは？ページ48

囚人番号003、らっだぁといえば、桃色の女性看守の担当囚人である。

監獄ではもはやそういう認識が根付き始めつつある。らっだぁがソーラに合うたびグイグイグイグイと押し迫って来るのが、囚人たちの間で割りとブームなのである。
とはいえ、別にそこにらっだぁの恋慕が含まれているわけではない、だろう。多分。
言うならあれだ、他人のプライベートに口うるさい上司なのだ。立場上ではソーラのほうが”上司”と呼ぶには妥当なのだが。

『あっ今日髪おろしてるんすねー。珍し、女性のおしゃれ概念って分かんないなあ』
『そーいやなんでクミさんとともさんとソーラさんだけネックレスかけれてるの…？え、もしかして支給品(ほしいもの)頼んだらポンとくれちゃったり！？』
『看守の中でもともさんはマント羽織ってるじゃないすかー、でも他の看守は羽織ってませんよね、なんで？…あわかった、手抜き？』

今までの発言が、嫌に記憶力が良いせいでずっとループしている。……つか最後の台詞はどういう意味だ。
ここ数日眠れていないとか食事もままならないとかそこまでではないが、流石にソーラの身体的苦痛も大きくなってきている。なんだか徐々に徐々に蝕んでくる毒のようだな、とソーラは思う。

「…………」

数日前のトラべぇの発言を踏まえて、それでもなんとか書き上げた質問用紙達を見つめる。丁寧に束にされて置かれているところに、ソーラの几帳面な性格が現れていると言えるだろう。

「…………はぁ。ぐだぐだ悩んでても仕方ない、ね」

昨日で002番の紙尋問終了日だ。次は自分。

意を決して(別に決するほど覚悟のいることではないが)椅子から立ち上がると、ソーラは自室の扉を開けた。