第二十六話 嬉しくて嫌な鉄棒 ページ26
ふう〜。昨日の下校、楽しかったな。
しかもこれから、一時間目から体育なの。鉄棒をやるんだよ!
もう、楽しみがいっぱい!!鉄棒は、私の大の得意。
グルんって回る感じとか、本当に楽しいんだ。
わあ〜〜〜〜!!楽しみになってきた!早く、早くやりたい!!!
「幸花ちゃん、ゆいかちゃん、一時間目体育だから着替え一緒に行かない?」
さゆりちゃんが誘ってくれる。
「うん!行こう行こう!」
私も明るく返事をする。
「・・・」
あれ?ゆいかちゃんの返事がない。どうしたんだろう。いつになく静かだな。
「ゆいかちゃん?どうしたの?」
私は少し控えめに聞く。
「あ!う、ううん!何でもないよ。」
ゆいかちゃんが慌てたように言った。
ほんとにどうしたんだろう。何かあったなら助けになりたいんだけどな。
でも、あんまりいうと嫌がられちゃうかもしれないしな。
ここは気にしないふりをしておいたほうがいいかな。
さゆりちゃんもゆいかちゃんの様子がいつもと違うのに気付いているようだったけど、私と同じことを考えているのか、何も言わなかった。
着替えている間も、ゆいかちゃんは元気がなかった。
うーん。大丈夫かな?特に思い当たることとかないんだけどな。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴って、楽しみにしていた鉄棒の授業が始まった。
その時でも、ゆいかちゃんは浮かない顔をしている。
まずは、一人ずつ逆上がりをするみたい。
ちょっと緊張するけど、私は逆上がり、すごく得意だから大丈夫。
二年生のころに、猛特訓してできるようになったんだ。
できるようになったときは、すっごく嬉しかったなぁ。
「はい、次、幸花」
あ!私の番だ!よーし。がんばるぞぉ
グルン!!
私は、思い切って勢い良く回る。
おぉ!いつもよりうまく回れたかも。やったあ。
「幸花ちゃん、すごく上手だったよ。」
さゆりちゃんが笑顔でほめてくれる。ますます嬉しい。
さっき、さゆりちゃんの番の時すごく上手だったんだよね。そのさゆりちゃんに褒められるなんて!
あ、次はゆいかちゃんの番か。元気がなかったけど大丈夫かな?頑張って!
え?ゆいかちゃん、すごい汗。大丈夫?どうしたの?
ねえ、ゆいかちゃん。ゆいかちゃん!
「・・・」
ゆいかちゃん、戸惑っているみたい。
やっと足を動かして、鉄棒に足をかけようとしたけれど、鉄棒に足が届いていなかった。
あ、そっか。ゆいかちゃん、逆上がりができないんだ。
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🍁 - 面白ーい!もっと更新してほしいな〜! (2023年3月4日 16時) (レス) @page30 id: 3289779505 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうりたくさんのかっぱ巻き - こんにちは。私も小説を書いてみました。ぜひのんのんさんに読んでみて欲しいです!のんのんさん、文章的に中学生くらいでしょうか?私は小5なので、のんのんさんは私よりもお姉さんかな?と思っています!更新されていて嬉しいです!楽しみにしていますね (2022年2月2日 16時) (レス) id: b087d08761 (このIDを非表示/違反報告)
のんのん - ありがとうございます!!すごく嬉しいです!題名の意味が分かるお話を、後々作ります!また読んでください! (2022年1月15日 19時) (レス) id: 90df0cd0b1 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうりたくさんのかっぱ巻き - 初めまして。元気な主人公がといっても可愛いですね!「今日もこれからも、帰りたい場所がある」という題名の意味が気になります。更新楽しみに待っています!ですが無理はしないでくださいね。 (2022年1月15日 19時) (レス) @page1 id: b087d08761 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のんのん | 作者ホームページ:http://todorokit
作成日時:2022年1月15日 18時