今日もこれからも、帰りたい場所がある➊

第三話　　笑顔のほめ言葉 ページ3

キーンコーンカーンコーン

チャイムがなって、休み時間になった。

休み時間は、ゆいかちゃんたちと遊べるから、私がすっごく好きな時間！

「幸花ちゃん！一緒に話そう！」

「うん！話そう話そう！」

友達から誘ってくれるってうれしいな。やっぱり学校は、休み時間は、すごく楽しくて大好き！

「ねえ、ゆいかちゃん、最近私、可愛くなりたいと思ってるんだけど、どうすればいいかな。」

「えー！そうなんだ！実は、私もそうなんだよね！」

「そうなの！？でも、ゆいかちゃんはかわいいし、静かっていうか…。うーん。なんか私とは違う気がするんだよね。」

「それは気のせいじゃない？」

「ううん。気のせいじゃなくて、私は、よく暴れたり騒いだりしちゃってるから、そこを直したいな、って思って…。」

「え！！そこがいいのに！直すなんてもったいないよ！！」

「え？」

「だって私、幸花ちゃんの、そういうところ、大好きだよ！！！！」

「そうなの？私、悪いところだと思ってた。」

「そんなことぜっったいないよ！！」

そっか。そうなんだ。それは、私のいいところだったんだな。自分が、悪いところだと思っていたところを、はっきり、笑顔で、「好き」って言ってもらえると、うれしいんだな。

「ありがとう！ゆいかちゃん！すっごく嬉しい！私も、さちかちゃんの、人のいいところを見つけてそれを言ってくれるところ、すっごく好きだよ！！！」

「ありがとう。嬉しい。」

私も、ゆいかちゃんをまねして、人のいいところをたくさん見つけて、言おう。そうすると、相手もきっと、うれしいはず。
　
休み時間はあっという間に終わり、六時間目の授業が始まった。

そして私は、もう下校するときのことを考える。

今日は話の輪の中に入れるかな？

下校、いやだな。

下校するときのことを考えていたから、算数の授業は全く頭に入ってこなかった。

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