immortelle

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今日も舞台が終わり、明日は休演日ってことで樹と翔太と飲みにきた店で、なんだか見覚えのある女の子を見つけた。




「ふっかどうしたの？」



『ん？あーなんでもない』






2.3年くらい前はよく舞台やコンサートに来てくれてた女の子。
ちょっと落ち着いた雰囲気で、ボブがよく似合うキレイな子。


なんとなくいつも視界に入ってきては俺を見つめるその姿が印象に強く残ってて。




その子が今、同じ店で明らかに合コンのような飲み会に参加している。

しかも、口説かれてる。







『なぁなぁ、自分のファンの顔って覚えてる？』


樹「ファン？んー、よく来てくれてる子は何人かはわかるけどほとんどわかんないかも」


翔太「おれもそんなかんじ」



『だよねぇ』





自分でも不思議だった。


最近めっきり彼女を客席の中から見つけることも減って、すっかり忘れてたはずなのに。






そんなことを考えていると、ドアのあたりで揉めそうな男女が目に入る。



……あの子だ。





「ちょ、ふっか？！」







気がついたら彼女の手を掴んでいた。


翔太と樹の声も聞こえないくらい、君に夢中になってたんだ。







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