六日目 ページ48
.
ーーー。
ピアニストの母が指の大ヤケドで
再起不能になって。
母の代わりに、努力して俺は
ピアニストになれるよって期待されてた。
最初は褒められたもんだが、まぁ才能は
無かったみてーで。
数年で戦力外通告が来て。
ーーその瞬間、母親は自分の息子にかけてた
期待との落差に耐えられなくなり
俺を拒絶した。
しょうもねぇ、父親はほっとくとしても。
.
ま、そんなこんなで。
俺の呪いの根源はこのクソ忌々しい鍵盤楽器。
今まで避けてきたけど、もういっかって
気になってきた。
ついででもあるしな。
涼「そうだ、A。
テキトーに流して弾くから、
テキトーなところで止めてくれ」
「......？うん、わかった」
涼「じゃあ、はじめっかー。
山田涼介によるピアノ演奏。
作曲者不詳、『咎人の旋律』」
せいぜいカッコつけて打鍵を開始した。
わらべ歌みたいな、無垢な感じ。
宗教音楽みたいな、厳かな感じ。
懐メロみたいな、
いつかどこかで聞いたことあるような感じ。
なぜか、怖い感じ。
どこからか、せんりつが流れているーー
.
ぼくは、真っ赤な夕日を背に立つ男の子と
向き合っている。
せんりつを口ずさむ男の子。
＊『ーーきみには、
おまじないはかからなかったの？』
涼「あぁ、忘れてたからな」
＊『ーーでも思い出した』
涼「ーーくだらねぇ」
おまじないは俺を呪えない。
真性の呪いとは、
他人を想う気持ち、そのものだから。
＊『ーーでも覚えてたでしょ？
あの場所と、あのとき』
涼「あぁ、」
＊『ーーそれは、呪いだよ。
ーーはは』
男の子は、楽しそうにくるりと回る。
涼「ーーんだよ」
＊『ーー呪いはあるよ。
呪いは、縁だから。
人を結びつける、縁だから』
涼「ーーあ？」
男の子は歌い踊る。
踏み切り際。
かんかんかんかんかん、という音。
＊『ーーあのとき、
どうして死なせてくれなかったの？』
人の生き死にを決めることはできない。
自分のだって。
いや。
涼「死んでほしく無かったから」
＊『ーーははは。
じゃあ、きみが生きる理由になってくれる？』
涼「あぁ、」
＊『ーーうそつき』
涼「口から出まかせに言っただけだ」
＊『ーーなんでそんなになっちゃったの？』
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亜美(プロフ) - 雛菊さん» 本当ですか！笑偶然でも見つけていただいてとても嬉しいです！！！( ´ ▽ ` )ﾉ近日また更新しますのでそれまで待っていただけると嬉しいです♪ (2016年10月26日 22時) (
レス) id: ac68b5c335 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 偶然見つけて一気読みさせていただきました！すっごく面白くて先が気になります♪これからも更新楽しみにしております(^^) (2016年10月19日 10時) (レス) id: 1cf476ed7e (このIDを非表示/違反報告)
亜美(プロフ) - さなえミントさん» おお、ここにも仲間がいらっしゃった♪(´ε｀ )読んでくださってありがとうございます！はい、頑張りますよぉぉぉー！笑 (2016年9月24日 19時) (レス) id: ac68b5c335 (このIDを非表示/違反報告)
さなえミント(プロフ) - ミステリー系の話が大好きなので更新楽しみにしてます！頑張ってくださいね！！ (2016年9月23日 8時) (レス) id: 2cff19ecd3 (このIDを非表示/違反報告)
希 - かのんさん» 私もミステリー大好きなんですよ！！笑JUMPとホラーがコラボしてる作品少なかったので、作ろうかなと思って作らせていただきました(´∀`*)これからもよろしくお願いします！そして、返信遅れてすみません泣 (2016年9月19日 19時) (レス) id: 9f07c9d47e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：希 | 作成日時：2016年4月29日 13時
