55話 オワライチョウ登場 ページ8
─(名前side)─
私達が、高笑いしながら走っていったパピルスさんの背中を呆然と見送っていると、サンズが「ふぅ、上手くいったな。」と呟いた。
え!?どこが!?
私達を捕まえる気満々な事に変わりはないんだが!?
「これ上手くいったの!?本当に大丈夫!?」
「心配するなって。悪いようにはしないぜ。オイラに任しとけよ。」
私の心配を軽く流すように、サンズはそう言ってウインクし、パピルスさんの後を追った。
…まぁ、サンズがそう言うなら信用しよう。
さて、私達も行きますか。
進んでいくと、無人の小屋が見えた。
何か書いてあるみたいなので読んでみる。
『貴様らは思った…「これは立派な見張り小屋だ」と。貴様らは思う。一体誰が作ったのかと…。…きっとあの有名なロイヤル・ガードの男に違いない!(【注】まだ有名なロイヤル・ガードの一員になっていないけどね)』
…と、縦書きに書かれていた。
この口調、パピルスさんだな、絶対。
可愛いかよ…。
微笑ましい気持ちになりつつ、再び歩き出すと、変わった姿の蝶がパタパタと飛んできて、私達の前に立ち塞がった。
コマンドには、オワライチョウと書かれている。
よし、分析だ。
オワライチョウ-ATK 12 DEF 7
観客にネタを聞かせるべく闘う、ティーン・コメディアン。
…なるほど、お笑い芸人か。
「じぶん、"こおらし"めたるで!」
おお、この子、関西弁なのか。
自分も時折、関西弁が出るので、オワライチョウに対し、勝手に親近感を抱いた。
開始早々、いきなりダジャレをいうオワライチョウに、私達はそれぞれの反応を示す。
「ブハッ!!」
「寒っ!」
「寒いな…」
吹いてるのは、私だけか…さみちい…と思っていると。
「いたっ!?」
腕になんか刺さったような感覚がし、確認すると、三日月型のカッターがぶっ刺さっていた。
ひえ…こりゃ痛いわ…!
「A、ぼーっとするな」とキャラに言われ、反省しつつ三日月型のカッターを力づくで抜いた。
当然、私の腕からは血しぶきが舞う。
うわ…漫画みたいで、我ながらドン引き…。
それを見たフリスクが、顔を真っ青にする。
「うわあああ!?血が!?血が吹き出てるー!?」
「大丈夫、大丈夫!私にはキャンディーがあるから!」
「いやいや、無茶すぎるよ!A!」
「はぁ…緊張感のない奴め…」
フリスクのツッコミと、キャラの呆れた呟きを聞きつつ、急いでモンスター飴を口に放り込み回復させた。
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作者名:のん猫?? | 作成日時:2021年1月15日 16時