93話 散策 ページ46
支度をして階段を下りると、店員さんに「おはようございます!その様子だと…ぐっすり眠れたようですね!」と、爽やかな笑顔で声を掛けられた。
いえ、隣の部屋から聞こえるイビキが気になってよく眠れませんでした…とは言えないので、笑顔ではいと返すしかなかった。
まあ、体は休まってるし、HPは回復されてるし大丈夫だろう。
店長さんにお礼を言い、宿屋を出て少し歩くと、かまくらのようなものが目に入った。
すぐそばにある看板には、「町のはじっこまで歩くのが面倒な方へ。トンネルをお試しください!最短距離で移動できます。」と書いてあった。
ちょっと興味が湧いたので、そのトンネルの中へ入ってみることにした。
最短距離で行けるなら、急いでる時とか便利だし。
トンネルへ入ってみると、本当にあっと言う間に町のはじっこに着いた。
早ッ!!
もう一度トンネルに入り、今度は戻ってみると、一瞬で宿屋のところへ。
面白いので、何回もやって遊んでたらキャラに怒られた。
まったく、どっちが年上だか。
再び町を散策していると、「あそこに立ってる女の人…見てるとなんかモヤモヤするんだよね…」と独り言が聞こえたので、声のした方へ向くと、何かをまっすぐに見つめている男の子の兎がいた。
その視線の先は、女の子の兎。
とても可愛くて、スタイルのいい人だ。
脚が長くて、羨ましい…!
キャラは「それは、恋という奴だな…」と呟いた。
頑張れ、兎の少年…いや、青年だろうか。
私は、とにかく頑張れと、心の中で声援を送った。
当の女の子本人はというと…
「この子、シナモンちゃんって言うの!可愛いでしょ?チャームポイントはお尻よ♡ウフフフフ…♪」と、ペットに夢中な様子。
彼の恋路、まだまだ道は遠いかも…。
思わず、兎の男の子の恋路がうまくいくことを心の中で祈った。
てくてく歩いていると、かなり目立つツリーが目に入ってきた。
雪を被っているけれど、丁寧に飾り付けがされてあり、その下にはプレゼントらしき物たちが置かれている。
「わぁ、きれいなツリーだね!」
フリスクは目をキラキラさせていた。
フリスク、君の瞳もきれいだよ…。
ツリーのところへプレゼントを置こうとしている水色の熊のようなモンスターがいるので、その人に話し掛けてみた。
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作者名:のん猫?? | 作成日時:2021年1月15日 16時