90話 ヤキモチ? ページ43
ーメタトンsideー
「あ、あの子…Aちゃん…やるわね…!パピルスを照れさせるなんて…!隅に置けない子だわ…!」
アルフィーは、彼女達のやりとりを見て、更に興奮したのかテンションが上がっていた。
その一方で、ボクは、なんとなく面白くない気分になった。
「確かにパピルス君は、いい子だしイケてる子だとも思うよ。でも、ボクには遠く及ばないさ。」
ニンゲンに褒められているパピルス君が、正直羨ましくて、ボクは思わずそう言ってしまった。
「メタトン…もしかして…」
「な、なんだい?アルフィー…その目は…?」
アルフィーが、目を輝かせてボクを見るので、嫌な予感がした。
「ヤキモチを妬いてるわね?パピルスがニンゲンに褒められてるから…!」
案の定、アルフィーは目を輝かせたまま、ボクにそう聞いてきた。
そんな楽しそうな顔で、こっちを見るのはやめてくれないか。アルフィー…。
もちろん図星だけれど、そうだよと簡単に答えられるほど、ボクは素直ではない。
「…そんな訳ないだろ。まったく、変なことを聞かないでよね。」
ボクは、わざと素っ気ない口調で、そう言った。
「そっか…。で、でも!今はそんなことなくても、今後どうなるかはまだ分からないしっ!そう思ったら、ますますこれからが楽しみになってきたわ!もし、メタトンとAちゃんの恋物語なんかが始まったりしたら…きゃーっ!!」
彼女は、一瞬残念そうな顔をしながらも、また自分の世界に入っていった。
…やれやれ、だめだな、これは。
彼女は一度妄想を始めると、なかなか止まらないので、ボクは彼女を放っておいて、モニターに再び目をやる。
…ボクと、Aちゃんの恋物語…ね…。
まさか。
そんな事、あるわけがない。
確かに彼女は、小さくて愛らしいし、いい子だとは思うけれど、美しさに欠ける。
おバカさんな面も目立つし(フリスクちゃんは、賢そうだけど)、ゴールドを得るために雪の中に手を突っ込んだりという、お行儀の悪い行為をしていたところを見ると…うん、やっぱりあり得ないかな。
でも、なんだかんだ思いながらも、この子から目を離すことはできそうになかった。
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作者名:のん猫?? | 作成日時:2021年1月15日 16時