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84話 がめつい少女 ページ37

─フリスクside─

Aが、この楕円形の雪は何かとキャラに聞いてみると、「雪まんじゅう」だという答えが返ってきた。

「雪まんじゅうか…食べれたり、する?」

「いや、無理だな。」

「なら、せめて…!」とAはしゃがむと、雪まんじゅうの中に手を突っ込んだりして、金目の物がないかを調べだした。

「えっと、A…?何してるの…?」

ぼくが、引き気味にそう聞くと、Aはニヒヒと笑って答えた。

「そりゃ、もちろん!こういうのは調べたら、お金とか出てくるかもしれないからね!よーく調べておかないと!」

「お前…あのキャンディーの時といい…がめついところがあるな…。」

「いやぁ〜、それほどでも〜♡」

「褒めてないぞ…。」

そんなやりとりをしながら、Aはしばらくその奇行を続け、一番奥の雪まんじゅうを調べたところで、30Gをゲットした。

「っしゃあー!!30G…()ったどーッ!!」

30GをゲットしたAは、ガッツポーズしながら叫んだ。
周りのモンスターから、怪訝(けげん)そうな視線を浴びてるけど、気にする様子はない。
それどころか、「いやぁ、やっぱり隅々まで調べてみるもんだねぇ!」と満足そうにしている。

「キャラ…どうしよう…周りのモンスターが、こっちを見てるんだけど…」

「…フリスク、ここは他人のフリだ。視線を反らせ。今のAから離れろ。」

…恥ずかしくなったぼく達は、他人のフリをした。



Aは、「他にもなんかアイテムとかないかな〜」と呟きながら、まだ辺りを見渡していると、視線の先に、もう一つ雪まんじゅうがあるのを見つけた。

よくよく見ると、なにか白いもふもふしたものが動いている。
なんだろう?と、近付いてみると──

「わんっ!」

「わあっ!?」

「な、なに!?雪からワンちゃん!?」

突然、雪まんじゅうからワンちゃんが顔を出しので、ぼくとAは驚いた。
「わんっ!わんっ!」と高く可愛い声で、ぼく達を呼ぶように鳴いている。

可愛いので撫でようと思ったら、ぬっと大きな鎧と共に雪から出てきた。
ワンちゃんが(よろい)を着てる…。
もちろん武器である(やり)と斧も、バッチリ持っている。

そして、よくよく見ると槍にも顔がついている。
Aはもちろん、可愛さのあまり興奮していた。

「A、とりあえず落ち着いて?分析するよ?」

ぼくがAの肩を叩いて声を掛けると、「はっ!そうだそうだ!」と慌てて分析を始めた。

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作者名:のん猫?? | 作成日時:2021年1月15日 16時

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