73話 イヌがイヌに撫でられた? ページ26
─フリスクside─
「さぁ、私達のニオイを嗅いでごらんなさい?」
Aは胸を反らして手を腰にやり、なぜかドヤ顔でそんなことを言った。
「いや、ドヤ顔で言うことではないだろ。」
ツッコミを入れるキャラに、Aは笑ってごまかした。
まあ、Aのドヤ顔と変なセリフは置いといて、地面を転げ回ったから、ニオイ対策は完璧だと思う。
「ワワワン!こ、このニオイは…」
「あんた達、子犬ちゃんなのサ?」
「そうです!私達は子犬ちゃんです!」
驚くイヌッスとイヌッサに、ドヤ顔と、腰に手をやり仁王立ちのポーズのまま、Aがそう答えた。
どうやら、ぼく達の事を、迷子の子犬と思ってくれているみたいだ。
この様子なら、きっと今度こそ、撫でさせてもらるだろう。
「フリスク、今度はきっと大丈夫だと思う!撫でるなら今だよ!」
「うん!撫でてみる!」
Aに
「ワン!!子犬に撫でられたッス!!」
「アタシも撫でとくれよ!」
ぼくがイヌッスを撫でている間、Aはイヌッサを、よしよしと撫でた。
「おおお…イヌを撫でるイヌ…ワンダフル!」
フリスクがイヌッサを撫でると、彼女は感激の声を上げた。
思わずダジャレを言うほど、喜んでくれたようだ。
犬夫婦のハートを掴めたみたいなので、ぼくは、見逃すコマンドを選択した。
「イヌがイヌに撫でられた…」
「その発想はなかったサ…」
ははは…実は、ニンゲンなんだけどね。
「ヘンな犬!サンキューッス!」
「ありがとサ!」
イヌッスとイヌッサは、お礼を言って去って行った。
今回も楽しいバトルだった。
次のエリアへ向かうと、パズルが仕掛けられていた。
たくさんの○と、2つの☓があり、道は針山で塞がれている。
看板を読んでみると、『すべての☓を、○に変えた後、スイッチを押すこと。』と書かれている。
とりあえず、左にある☓印はAに踏んでもらい、右はぼくが踏む。
踏んでみると、カチッと音がして、○印に変わった。
フリスクが右の☓印を踏み、○印に変えて、上にあるスイッチを押すと、赤色だった○が緑に代わり、針山が引っ込み通れるようになった。
なるほど、こういう仕組みか。
「なにィッ!このパズルも解いてしまったのか…!?」
いつの間にか僕たちの目の前にいるパピルスさんが、驚いた顔をして立っていた。
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作者名:のん猫?? | 作成日時:2021年1月15日 16時