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67話 優しい罠 ページ20

─Aside─

次のエリアに進むと、テーブル、そしてその上に置いてあるスパゲティとレンジに目が留まった。
近くに書き置きもあったので、それを読む。

『おい、ニンゲン!このスパゲティを食べやがれください(貴様らは知らないだろうが…これは(わな)だ…まんまと引っかかったなッ!食べるのに夢中になって…先へ進めなくなるぞ!またしても、偉大なるパピルス様のドッキリにハマったなッ!)ニャハハのハ!パピルス』

パピルスさんの、ツッコミどころ満載なメモに、私達は思わずくすりと笑った。
そんな罠なら大歓迎だし、先に進むのを忘れるほど、おいしいスパゲティがどんな味か、とても気になる。

テーブルにあるスパゲティの前まで行き、お皿を取ろうとした。
ところが、お皿がカチカチに凍りついていて、テーブルから取れない。
私とフリスクとキャラは、この状況に困惑した。

「ありゃりゃ…こりゃ完全に凍ってるね…」

「うん、これじゃ食べられないね…どうしよう…」

「せめて、温める物でもあればいいのだがな。」

辺りを見渡すと、隣のレンジを見つけた。
全てのボタンには、「スパゲティ」と書かれている。

スパゲティ専用のレンジってどんなレンジだ!
しかも、コンセント抜けてるし!
というか、そもそもコンセントを繋げる場所すら見当たらん…!

「これは…どうしようもないね。」

「残念だが、諦めるしかないようだな。」

「とほほ…まぁ、しょうがないねぇ。」

フリスクとキャラと私は、苦笑いしながら顔を見合わせた。
でも、わざわざ私達のためにスパゲティを作ってくれた事に、嬉しさと優しさを感じた。


「あれ?あそこに小さい穴がある!なんだろう?」

ふと、フリスクが、テーブルの後ろの壁にある小さな穴に気付いた。
私は、ネズミがいるかもしれないと思い、チーズを置いてみた。
すると予想通り、ネズミが「チュウ」と鳴いて、顔を出してきた。
可愛いなぁ。

「わぁ、可愛い!」

フリスクも、ネズミの愛らしさに、にこにこと笑った。
チーズを持って、ネズミは穴へ引っ込んでいった。

その後、セーブポイントを見つけ、光に手をかざした。

いつか、ネズミはスパゲティを温める方法を見つけるかもしれない。
そう思うとケツイがみな──

…いや、ちょっと待て。
ネズミが、どうやってスパゲティを温めるのさ!?
私も私で、どんなケツイを抱いてんねん!

…と、我ながら訳の分からぬケツイをみなぎらせた後、即自分にツッコミを入れた。

68話 癒やしタイム…?→←66話 上機嫌



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作者名:のん猫?? | 作成日時:2021年1月15日 16時

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