64話 愚かな奴め… ページ17
─キャラside─
私は、Aの考えなしの返答に、頭を抱えた。
この馬鹿…。
そこまでの大金を持ってないくせに、軽々しく買うと
…ああ、いるな。目の前に。
「え!?買うの!?」
当然、フリスクも、更に困惑した。
まあ、サンズは多分、本気で言っていないと思う。
あのニヤニヤした笑顔からして、Aをからかっているんだろう。
まったく、コイツもいい趣味をしているな。
それに容易く乗るAに、一番呆れるが。
「じゃあ50000ゴールド。これで決まりだ。」
サンズは容赦なく、金額を一気にあげた。
さすがに、50000ならAも諦め…
「買う!」
……。
駄目だ、コイツ。
「…アンタ、本気か?」
これには、サンズも呆れたらしい。
当然だ。
「いやー、買うって言い続けたらどうなるかなーって…あははは…。」
そう言って笑って誤魔化すAの返答に、サンズは肩を
「やれやれ…本気にするとはな。」
「え?」
Aは案の定、本気にしていたらしい。
目を見開き、口はぽかんと開いている間抜け面でサンズを見ている。
「今までのは、すべて冗談だ。オイラ、スノーフライドなんか持ってないしさ。」
「持ってへんのかああああい!!」
悪びれもしないサンズに、Aは大声でツッコミを入れた。
…やっぱりな。
騙されすぎだぞ、A…。
サンズと別れてから、真っ直ぐに進むと、小屋が2つ並んだエリアに来た。
その小屋の真ん中にある看板を、Aが読む。
『ニオイの危険度レベル
雪のニオイ―雪だるま
キケンレベル:白
ときどき 黄色になることも。
あやしくないニオイ―子犬
キケンレベル:青
地面を転げ回るニオイ
ヘンなニオイ―ニンゲン
キケンレベル:緑
絶対に始末すること!』
「よく分からん…ってか、なんで緑の文字だけ赤色なの!?」
困惑気味なAのツッコミを聞き流しつつ、私は、何かのヒントだろうなと思った。
もしかしたら、犬のモンスターと戦う時の為のヒントの可能性もあるから、一応覚えておいた方がいいかもしれない。
…Aは、忘れているだろうから尚更な。
まったく、手間をかけさせてくれる奴だ。
ふと小屋の看板を見てみると、「ダーリン」「ハニー」と書かれていた。
…あの"犬夫婦"か。
もうすぐ会うだろうから、色々な意味で覚悟しておこう。
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作者名:のん猫?? | 作成日時:2021年1月15日 16時