煉獄さんの甘々看病！ (ページ4)

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お医者へ行こうページ4

私が目を覚ますと､隣に杏寿郎さんが眠っていた。
ずっと傍についていてくれたのだ。
私は手を伸ばして､杏寿郎さんの頬を撫でた。寝顔も可愛いなぁ。
しばらく撫でていると､杏寿郎さんが薄目を開けた。
「む？ああ､起きたのか｡具合はどうだ？」
「良くなっている気がします｡杏寿郎さんのお陰ですよ､ありがとうございます」
「うむ！礼には及ばない！」
嬉しそうな笑顔で言ってから､杏寿郎さんは私をそっと抱え起こした。
「タオルを濡らしてくるから､それで体を拭いてくれ｡着替えたら､お医者さんへ行こう」
「分かりました」
私もつられて微笑んだ。

「引き始めの風邪ですね」
杏寿郎さんの行きつけ(一家のかかりつけ医らしい)だという『花ト蝶ノ医院』で､私は蝶の髪飾りを付けた綺麗な女性にそう診断された。
「うむ！やはりそうか！」
「今日一日で熱がさがらない場合には､また来て下さい。さがれば問題ありません。薬は朝と夜との2回で出しておきますね」
「うむ！ありがたい！」
「看病する側も充分に気をつけてください」
「承知した！迅速なお見立て感謝する！」
「いえいえ､お大事に」
診察室を出ると､ふわりと甘い香りが鼻をくすぐる｡
所々に置かれている加湿器のような物から､藤の花の香りが漂っているのだ｡
そのため院内はその香りで満ちていて､私は待合室のソファーに座るなり大きく息を吸った｡
「ふぅ～」
「辛いか､希美」
杏寿郎さんが私の肩に手を添え､そっと引き寄せた｡
「いいえ､藤の香りがしてるので､嗅ぎたくなっただけです｡私の実家の近くにも咲いてたので､大好きなんですよ」
「ああ､確かに良い香りだな」
杏寿郎さんはホッと太い眉を下げた。
「前に話した､鬼殺隊のことは覚えているか？」
「ええ」
何故この話が出てくるのだろう。
「実は､鬼の弱点はこの藤の花でもあったんだ」
「え？そうなんですか？」
私は驚いて､杏寿郎さんの顔を見上げた。