もう一度* ページ23
大倉side
丸山｢はっ？！入院してんの？！｣
大倉｢はい。｣
丸山｢...でも俺なんか行ったって...｣
大倉｢あいつは先輩のこと待ってますよ。俺やったらあかんみたいです。先輩が良いみたいです。｣
丸山｢...俺、もう泣かさん。Aのこと幸せにするから。｣
大倉｢次泣かしたら、俺取りに行きますよ。｣
丸山｢...そうはさせへん。...ありがとうな、大倉くん。｣
大倉｢行ってやってください。｣
丸山｢うん、行ってくる。｣
A、待っときや。今から、お前が待ってた人行くからな。俺よりも待ってた人、行くから。
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病院
A｢はぁ...｣
母｢何ため息ついてんの。｣
A｢暇やなーって思って｣
母｢明日で退院やん、がんばれ。お母さん、洗濯物行ってくるわ。｣
A｢行ってらっしゃいませー｣
1人になった部屋。やけに静かに感じる。
ガラッ
A｢何？！誰？！｣
丸山｢...A｣
A｢...な、んで｣
丸山｢...ホンマにごめんっ！！｣
来て早々、90度に体を曲げて謝る隆平。
A｢いや、意味わからん...なにがあった｣
丸山｢...辛い思いさせてごめん。いっぱい泣かせてごめん...｣
A｢何を今更...｣
丸山｢せやんな...でも、ほんまのこと言っときたくて...。女の人と抱き合ってたってやつ。...あれな、元カノやねん。｣
A｢...元カノ...｣
丸山｢やっぱり好きって言われてん。でも俺、断った。彼女おるって言った。そしたら...最後にハグだけして、って頼まれて...そこをクラスの子が見てしもたんやろな...その子とはそれっきり何も無いよ。｣
A｢...そうやったんや｣
丸山｢ごめんなぁ？｣
眉を八の字にして、謝る隆平を憎めなくて
A｢...私こそごめん。｣
丸山｢Aは謝る必要ないやん。悪いのはぜーんぶ俺やから。｣
A｢いや、私が避け始めたから...。ほんまは入院してから来てくれるんちゃうかなーって思ってた。来るわけないのに...｣
丸山｢...会いたかった。俺はずーっと会いたいって思ってたよ。｣
A｢私も会いたかった...。来てくれてありがとう...｣
丸山｢...遅なってごめんな...｣
2人はどちらからともなく、キスをした。
久しぶりのキスは涙の味がした。
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作者名：しゃけのん | 作成日時：2019年2月18日 3時
