春* ページ2
Aside
ガタンゴトン ガタンゴトン
窓の外には綺麗な桜並木が並んでいる。
私は山田A。
この7時15分発の電車、人気のないこの電車。この電車に揺られている学校までの15分間がとんでもなく好き。
だって、大好きな*丸山隆平先輩*が見れるから。
丸山先輩は、学校じゃ大人気。
成績優秀、運動神経抜群で陸上部ではエース。
それに、ルックスもずば抜けてる。
誰にでも優しくて、先輩が通るだけで女子生徒達は黄色い歓声をあげてるくらい。
見慣れているはずのブレザーでさえ、先輩が着ているだけでカッコよく見える。
私みたいな普通の女に振り向いてくれるはずもないって分かってる。
それでも、私は先輩が好きだ。
なんで好きになったのかは自分でも分からない。
でも、なんか好き。
時間はあっという間で
授業中の15分はとてつもなく長く感じるのに、電車の15分は一瞬に思える。
駅に着くと、バレないように先輩の後ろを歩く。
...あーあ、学校に着いちゃった。私の幸せの時間は終わり。
学校に入れば先輩はみんなのものになる。
...先輩を独り占めして見ていられる時間はあの電車だけ。
学校に着いた途端に
明日も会えるかなー
なーんて考えてる。
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作者名:しゃけのん | 作成日時:2019年2月18日 3時