腐ったヒーロー【ヒロアカ】 (ページ5)

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～A～

その後、俺はヒーローに説教やら相棒スカウト(？)をされ、やっと解放された。と思ったら、

「君、凄かったねぇ！そんな細いのに！」

「かっこよかったよー！」

「男の子！？女の子！？」

「かわい～～！」

あぁぁぁ！
ウッザ！まじウッザぁ！失せろ！
そして俺は男だよ！男なんだよ(泣)！
さっきからザワザワザワザワぁ...！

『あ"～っ、どいたどいたぁ！もう帰るから！』

人ごみをかき分けて歩く。
その時、後ろから野次馬とは違う、可愛らしい声が聞こえてきた。

「あのっ！ぁ、ありがとう！」

頬を赤く染めてそう言った彼女を見ていたら、自然と笑みがこぼれた。

『ん～？あぁ、いやいやぁ～良かったよ！怪我がなくて。それよりも、さっきはごめんね？いきなり投げられてびっくりしたでしょ。』

「びっくりしたけど、大丈夫だったよ。」

『そっかそっか、どんな状況でも大丈夫なのは強いぞ～。いいヒーローになるんじゃない？』

「本当！？」

パッと目を輝かせる。

「あのね、かりんね、ヒーローになりたいの！個性はまだわかんないけど、
かりん、おねえさんみたいなヒーローになりたい！誰でも助けちゃえる、かっこいいヒーロー！」

『かりんちゃん...！
おねえさんじゃなくて、おにいさん。
お・に・い・さ・ん☆』

俺みたいなヒーロー、ね。

『こんな人間目指したら駄目だよ。
ほら、オールマイトとかさ、カッコいいじゃん？』

「確かにかっこいいけど...
かりんを助けてくれたのは、オールマイトじゃなくて、おにいさんだもん！だから、かりんのヒーローはおにいさん！」

ニコニコしている顔を向けられて、自分のなりたいものがわからなくなる。
俺は、何になりたい？

(ヒーローでしょう？)

頭の中に声が響く。

『(わからないね。)』

(あなたはわからなくても、あなたの性格はヒーロー向きよ。)

『(そんなことない。)』

(じゃあ、なんでその子を助けたの？)

『！』

『(なんでって、人助けるのに理由っている？)』

(そう言うところがヒーロー向きなのにねぇ。)

小さな笑い声が聞こえたのが最後だった。

『なんだったんだ？』

「おにいさん！」

『うわ！びっくりしたぁ！』

まだいたのね！気付かんかった！

「ヒーローなるの、頑張ってね！
かりん、おにいさんの一番のファンだから！」

その言葉で、なんか、ぶわ～っなった。

『...うん！頑張る！』

決めた。
俺はヒーローになる。

...ちゃんと、人を助けるヒーローに。