winter (ページ8)

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8.Tｓｉｄｅページ8

「としくーん♪」
「はいはい。なんでしょう？」

宮田との久しぶりの食事。
ドキドキし過ぎて意識してしまう。
さっきなんて手握ってくるし。
《注※ビールを手渡しただけです。》
だから意識しないように酔ってしまうことにした。
でも‥‥

「タマ飲み過ぎじゃない？」
「全然♪」
「いや、酔ってるね。」
「いいじゃん、楽しいんだから♪」
「そりゃ、よかった。」
「俊くん、おめでとね。」
「ありがと。って何回め？」
「わかんなーい。」
「この酔っぱらいめ!」

「タマ、舞台の稽古どう？」
「‥‥‥」

ふいにされた質問に答えられない。
つい本音がでる。

「ん‥‥ー、普通？」
「そっか。でも凄いよ、座長で一ヶ月やってまた別の稽古が始まるんだから。」
「うん‥‥でも‥。」
「でも？」
「少しだけ不安かな。がっちゃんも‥‥お前も近くに居ないし。どのポジションでやればいいのかもわかんないし。」
「タマ‥‥。」
「でもガヤもいるからね。頑張るわ。」

あー、ダメだダメだ。宮田と居るとつい弱音がでてしまう。
今は頑張らなきゃいけない時期なのに。

「タマは‥‥」
「うん？」
「タマはかっこいいし、頑張りやさんだよ。グループのエースだし、人気だってある。」
「どしたの？急に。」
「でもタマは俺の大切なシンメだから。」
「‥‥‥」
「だから。今までみたいに頼っていいんだよ？」
「宮田‥‥」
「って、役に立たないかもしれないけど。俺はずっとタマの味方だよ。」
「‥‥‥」

そう言って宮田が笑う。
昔からずっとそうだ、こいつの存在で俺の不安とか怖さは無くなってしまう。

「‥‥‥うん。」
「ははは。そんな顔すんなって、玉ちゃん。」

宮田のくせに。
少しだけ格好いいとか思ってしまったじゃんか。

体の火照りが凄い。
これはアルコールのせいか。
それとも‥‥ーー。