winter (ページ2)

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２.Mｓｉｄｅページ2

「宮っちー、玉ちゃんと進展あった？」

「シーって!!塚ちゃん声ﾃﾞｶい!!」

一ヶ月の舞台期間が終わり、久々の休日。
こちらも久々の塚ちゃんとのご飯なんだけど‥‥

「だって一ヶ月同じ楽屋に一緒だったんでしょ？告白するチャンス沢山あったじゃん!!」

「いや、千さんも一緒だから‥‥」

俺の気持ちを唯一知ってる親友。
　
「じゃーどうすんのさ、玉ちゃん次の舞台の稽古に入っちゃうでしょ？」

「まぁ‥‥、て、てか!!告白とかするつもりないし‥‥」

「なんで？」

この人は‥‥

「だって告白されたって迷惑だろ？同性だし、ましては同じグループ。避けられたりしたら立ち直れないわ。」

塚ちゃんの呆れた視線を感じる。
それでも俺はビールを煽りながら続けた。

「そばにいれるだけでいーの。」

これで少しはわかってくれるだろう。
気持ちを伝えてそばにいれなくなるのなら、気持ちを伝えずにずっとそばにいたい。

「宮っち‥‥。は、馬鹿なの？恋愛は自由じゃん!!迷惑なんてなんで宮っちが決めるの？上手くいくかもしれないじゃん!!」

「ははっ‥‥。」

塚ちゃんはこんな人だった。
だからこそ羨ましくもあるのだけど。

「恋愛は自由か‥‥。」

気持ちを伝えられたらどんなにいいか。
それでも隣で笑っていてくれた方がずっといい。
　