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「…?司書…補佐…?」
美月は首を傾げた。無理も無いだろう。特務司書と言うのは、国家機密の活動をする者なのだから。
普通の人間なら、知る由も無い。
ましてや、自分の記憶も無いのなら…
「詳しい事は、司書室で話そう。来給え。」
司書は素早く文豪達をベッドに誘導し、足取りの
おぼつかない美月の手を取り、館長の後を追って
司書室へと案内した。
館長と司書、美月が対して座る。
「簡潔に言うと、彼女と共に此処で働いて欲しいのだ。彼女は特務司書…アルケミストとして此処で働いている。」
「その、アルケミストの力が、私にもある、と?」
「そうです。美月さんが先程使った力、あれがアルケミストの力です。…まぁ、私にはあんな事できませんが…。貴女からは、私よりも強い力を感じたんです。」
「私に…」
迷いを見せる美月に、司書は言葉を投げかける。
「私は…この場所で、守りたいものがあるんです。其れは私だけの思いではなく、国家の、世界の…
『彼等』の思いなんです。貴女の強い力は、皆を守ると信じています。…どうか、力を貸してください…。」
暫くして、俯いた美月の顔が上がり、口をゆっくりと開いた。
「私が、力になるんですか?」
「はい。」
「私に、居場所をくれますか?」
「お約束します。」
「私は、此処に居てもいいんですか?」
「勿論です。」
「…分かりました。
この話、お受けします!」
にこりと微笑んで、彼女は答えた。その表情からは、安心と喜びが感じられた。
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楪風香(プロフ) - 詠音さん» ファイトですっ!(o^―^o)ニコ (2017年6月2日 22時) (レス) id: 86c9c0f128 (このIDを非表示/違反報告)
詠音(プロフ) - 楪風香さん» コラボ…できていればいいんですが…。喜んでいただけて嬉しいです!!此れからも頑張ります! (2017年6月2日 22時) (レス) id: dee7da1e3e (このIDを非表示/違反報告)
楪風香(プロフ) - 文アルト文ストのコラボですか!?なかなか無かったので嬉しいです!! (2017年6月2日 6時) (レス) id: 86c9c0f128 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:詠音 | 作成日時:2017年5月21日 19時