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◆24◆ ページ24









あれから馬鹿みたいにAさんを求めて、



体力を使い切った俺はそのまま眠りについて。



目が覚めた時には、隣にAさんの姿はなかった。



慌ててリビングに行くも、Aさんを姿はなくって、



テーブルに紙切れ一枚と、おいしそうな飯が置かれとった。



ヨロヨロとテーブルに近づき、紙を手に取り



Aさんらしい、綺麗な字を読む。





『小瀧くんへ


何も言わずに出ていってごめんなさい。


いつかはこうなることわかってたのに、私、


ずーっと小瀧くんの優しさに甘えて、


今は小瀧くんといたいって、後先考えないで動いてた。


本当にごめんね。


今日でもう、会うのは最後にします。


小瀧くんは私なんかよりもっと素敵な人に出会えると思います。


でもね、これだけは伝えさせて?


私、望くんのことが…』




"大好きでした──。 A"




望「っ……」



全部読み切った頃には、アホみたいに涙が溢れとって、紙を握る手に力が入る。



この涙とともに、Aさんへの想いも流れていってくれたらええのに。



なんてアホなこと考えてまうのは、それだけ本気になっとった証拠で。



握っていた紙を破ろうと手に力を入れるけど、やっぱ出来ひんくて。



せめて、次の恋が出来るまで。



そう思い、クローゼットにある



あまり使わないものが入れてある箱の中にそれを入れ、



Aさんへの想いもろとも蓋をした。

◇25◇→←◇23◇



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作者名:櫻宮未紀 | 作成日時:2018年1月10日 17時

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