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あれから馬鹿みたいにAさんを求めて、
体力を使い切った俺はそのまま眠りについて。
目が覚めた時には、隣にAさんの姿はなかった。
慌ててリビングに行くも、Aさんを姿はなくって、
テーブルに紙切れ一枚と、おいしそうな飯が置かれとった。
ヨロヨロとテーブルに近づき、紙を手に取り
Aさんらしい、綺麗な字を読む。
『小瀧くんへ
何も言わずに出ていってごめんなさい。
いつかはこうなることわかってたのに、私、
ずーっと小瀧くんの優しさに甘えて、
今は小瀧くんといたいって、後先考えないで動いてた。
本当にごめんね。
今日でもう、会うのは最後にします。
小瀧くんは私なんかよりもっと素敵な人に出会えると思います。
でもね、これだけは伝えさせて?
私、望くんのことが…』
"大好きでした──。 A"
望「っ……」
全部読み切った頃には、アホみたいに涙が溢れとって、紙を握る手に力が入る。
この涙とともに、Aさんへの想いも流れていってくれたらええのに。
なんてアホなこと考えてまうのは、それだけ本気になっとった証拠で。
握っていた紙を破ろうと手に力を入れるけど、やっぱ出来ひんくて。
せめて、次の恋が出来るまで。
そう思い、クローゼットにある
あまり使わないものが入れてある箱の中にそれを入れ、
Aさんへの想いもろとも蓋をした。
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作者名:櫻宮未紀 | 作成日時:2018年1月10日 17時