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びしょ濡れのAさんに



とりあえずシャワーを浴びてもらい、



温かいココアを出した。



ありがとう、と呟いて下を向いたAさんに



望「…先輩に、バレましたか…?」



とずーっとモヤモヤしてたことを聞くと、



俺と目を合わさないまま、小さく頷いた。



あ「…喧嘩になっちゃって、飛び出してきちゃった。」



望「そうだったんすね…」



そう言った時、俺の携帯が鳴った。



液晶を見てみると、『濱ちゃん先輩』と表示されていた。



それがAさんの視界にも入っとったみたいで、



あ「…ごめんね、私のせいで。」



というと、Aさんの瞳から涙が零れた。



あ「私が、はっきりしないから…ふたりを傷つけて…


ふたりの関係も壊しちゃって…」



ごめんなさい、と言ってポロポロ涙を流しながら



小さく震えるAさんを見てられんくて、



腕を引っ張って自分の胸におさめる。



望「謝らんといてください。


俺だって、わかってて関係持ってたんやから…」



あ「ううん…私が小瀧くんに甘えたからいけないの…」



すっぴんでいつもよりも幼い顔を



涙でぐちゃぐちゃにしているAさんを見て、



こんな時に不謹慎やけど、かわいいって思っちゃって。



望「…Aさん?もういっそ…」



俺のところに来ませんか?



ずーっと伝えたくても伝えられんかった



胸に秘めとった想いを伝えようとした時、



Aさんの唇によって遮られた。



そして、俺の腕の中から俺のことを見上げるAさんは



何かを決心したような顔をしとって。



あぁ、そういうことなんや。って。



Aさんの気持ちを汲み取った俺は、



今度は自分からAさんの唇に自分のそれを押しつけた。

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作者名:櫻宮未紀 | 作成日時:2018年1月10日 17時

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