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あれからAさんの作ってくれた手料理食べて、
いつも以上に優しいAさんと身体重ねて。
行為の最中に、Aさんは名前呼んでって強請ってきて、
そんなかわいい我儘はいくらでもきけるけど。
Aさんのことが好きだっていう
俺の本当の気持ちは言えへん。
それがもどかしくて悲しくて、
行き場の無い想いは、消化することも出来ずに
自分の胸に募っていく。
望「…急に呼んでもうてごめんな。」
あ「ううん、大丈夫だよ。」
望「今日も帰らんとあかんよな…?」
そういうと、眉を下げてごめんね。と小さく呟いた。
そしていつもの如く、駅までAさんを送り届ける。
あ「…小瀧くん、」
望「ん?」
あ「あんまり、無理しちゃだめだよ。」
望「……おん。」
あ「たまには息抜きも必要だから。」
ね?と言うAさんの優しい言葉に
視界が滲むのを必死に隠して返事をする。
あ「…じゃあ、そろそろ行くね。」
そう言って改札を通り抜けて、
振り返りざまに笑って手を振るAさんに、
望「……また。」
と小さく手を振った。
先輩のとこに帰らんといて。
俺のそばにおって、どこにも行かんといて。
ほんまに伝えたい言葉を静かに飲み込んで、
最終電車に向かうAさんの背中を見つめた。
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作者名:櫻宮未紀 | 作成日時:2018年1月10日 17時