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仕事中も朝の人が気になって、



タイピングをしながらも頭の片隅には



彼女の顔が浮かんで。



いやいや、一目惚れなんて年甲斐もない、



なんて自笑する。



それから邪念を払いつつ仕事に打ち込み、



今日もぴったり定時に仕事を終えた。



んー!なんて伸びをして、



金曜だし呑むかなーなんて思っていたら、



おう、のんすけ!と声をかけられた。



声のした方に顔を向けると、俺の指導係だった



濱ちゃん先輩がニコニコしながら寄ってきた。



崇「仕事おわったか?」



望「はい!終わりました!」



崇「おっ!ほな、今日飲みに行こや!」



望「いいっすね!俺も飲みたい気分でした!」



ほんなら行くで!と言った濱ちゃん先輩の後について会社を出た。



ガヤガヤとした居酒屋のカウンターに



濱ちゃん先輩と横並びに座ってビールを飲む。



そっから仕事の話しやら同期の話しやらをしてたら



崇「なぁ、のんすけは彼女とかおらんの?」



とほろ酔いのふにゃふにゃした顔で聞かれた。



望「いやー、しばらくいないんっすよねー。」



崇「なーんでなん?そんなイケメンやのに!」



望「いやいやー…あっ。」



濱ちゃん先輩に褒められて、それを否定しようとした時、



忘れかけてた朝の人の顔がふわっと蘇った。



あっ、と声を上げて止まった俺に、



いい感じに出来上がっている先輩は



崇「おぉ?なんやなんやー??


その顔はええ人がおるんやなー?おう??


話してみーや、濱ちゃん先輩に!」



とニヤニヤした顔をして肩を組んできた。



そんな先輩に朝の出来事を話すと、



それは一目惚れや!恋やでのんすけ!!



と馬鹿でかい声で騒ぎ出した。



望「ちょ、恥ずかしいから叫ばんといてくださいよ!」



崇「そうかそうか〜、可愛い後輩にも春が来たか〜!」



そう言ってニコニコして俺の顔を見ると、



ビールを一気に飲み干した。



望「濱ちゃん先輩、もうそれくらいにしといた方が


ええんとちゃいます?


そんなに強いわけとちゃうんですから!」



崇「んー、そやなー!もうやめとくわ!


あ、店員さん!ビールもう一杯!」



望「いや、やめるんちゃうんかい!」



と、思わずつっこんでしまった俺に



へらへらと笑う先輩はもう完全に出来上がってて、



1人で帰すのも心配だった為、なんとか住所を聞き出して



家までタクシーで送っていった。

◇3◇→←◇1◇



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作者名:櫻宮未紀 | 作成日時:2018年1月10日 17時

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