Into Your Eyes ＊Nozomu (ページ1)

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朝、ピピピッというアラームの音で目が覚め、

ぽやぽやした頭のまま洗面所へ行き、

冷たい水で顔を洗う。

なかなか治らん寝癖と格闘して、

着慣れたワイシャツとスーツに腕を通す。

仕事に就いてから一人暮らしを始めた俺は

朝ごはんを準備することもめんどくさくて

朝はコーヒーを一杯飲んで出勤する。

そんないつもと変わらない朝。

朝のラッシュに眉を顰めながらも、

周りより頭一個分抜けた自分の身長に感謝する。

つり革がひとつ空いて、それを掴もうとした時、

ふと、ドアの前に立つ一人の女の人に目がいった。

特別着飾ってるわけでも、

派手な見た目なわけでもないのに、

その人の周りの空気だけ違う気がして。

『次は～駅、～駅…』

ぽけーっとその人を見つめていたら

あっという間に自分の降りる駅で、

すいません、降ります。って小さく周りの人に声をかけ、

でっかい体をできるだけ小さくしてドアへ向かった。

そしてホームへ足を一歩踏み出そうとした時に

チラッとさっきの人を見たら、ぱちっと目が合って

その瞬間、びびびっ…って体に電流が流れた感覚がした。

ホームに降りるとぷしゅーっとドアが閉まって

電車は走り出していった。

少し顔が暑い自分に気がついて、

一目惚れ、ってこういうことなのか？って

高鳴る鼓動に問いかけながら、

いつもと少し違う朝になったことに

ウキウキしながら会社へと向かった。