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「あのぅ、薮さんって、テレビに出てる方…ですよね？」
三人は互いに腰掛けた後、
西畑が口を開いた。
「Hey! Say! JUMPの……」
「薮宏太、です」
「やっぱり……！」
西畑は驚いた様子で、
口を開け、目を輝かせる。
しかしそんな西畑とは対照的に、猫田はドライな反応。
猫田は薮が誰なのか認識していない様子だ。
「西畑くん、そうなの……？」
「そうですよ、Aさん知らないんですか」
「ごめん、知らない」
「薮さんは、『Hey! Say! JUMP』っていうアイドルグループのメンバーなんですよ」
「あぁ、もしかして西畑くんが好きな……」
「ジャニーズです」
「そうそう、ジャニーズ」
聞けば西畑は大のジャニーズのファンで、
好きな四字熟語は『二宮和也』らしい。
興奮を抑えきれないまま話す西畑と、
それを受け流す猫田。
「あの……依頼があるんですけど」
薮は二人を見る。
すると我に返ったのか、声を揃えて「すみません」と言った後、
表情を変えて話し始めた。
「薮さんみたいな有名な方が、
どうしてこんな小さな事務所にわざわざ依頼を？」
「できれば……内密に調査していただきたくて、
大事になってしまうとかえって面倒なので」
「それで……依頼内容、とは……」
薮は猫田に言われ、息を呑む。
目の前に出された紅茶を一口飲んだ後、
薮は決心した様子で口を開いた。
「メンバーの八乙女光の無実を、証明してほしいんです」
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