4話 中間side ページ5
中間side
どことなく懐かしい声
一瞬よぎったひとつの可能性を想像してみたけど
そんなわけないかって
傷ついた自分を守るかのように
当時の記憶に蓋をするかのように
否定していく
でも最後にすれ違った時
ふわっと香る
シトラスの香り。
みんながなんか言ってたけど全然頭に入らんくて
今日初めて会った後輩のお母さん。
なぜか愛おしく感じるその背中から目が離せなかった
照史 ｢淳太くん？｣
照史に名前を呼ばれて我に返った頃にはその背中は無くて
少し心配そうに見つめる照史といつも通りのメンバーが隣にいて色んなモヤモヤがちょっと軽くなった気がした
その夜、晩酌をしながらふと目に入った小さな箱。
彼女が姿を消した日から見ることさえできなかったのに
なぜか開けたくなってそれを手に取る
箱の中には2つのペアリングが付いたネックレス。
これは高校を卒業する時にプロポーズして渡した物
君は ｢嬉しい｣ って泣きながら言ってくれて
周りには早すぎやろ アイドルやのに とか色々言われたけど
絶対バレんようにするからって約束で
その後、同棲してほんまに幸せやった
やのに
一緒に戦った戦友がどんどん辞めていって
このまま続けるかどうか悩んで
それでも残る決意をして
俺もドラマとか情報番組にも出させて貰えるようになって
デビューして安心させるからそれまで待って欲しいって言ったら
｢淳太なら大丈夫！私が保証する！てか淳太が選んだ道ならついていくよ！｣
って言ってくれたのに
大学2年の時やったと思う
ごめんね と書かれた置き手紙と一緒にこのネックレスが置かれてて
あの時は自暴自棄にもなって照史に｢仕事は仕事やろ、ちゃんとせぇ｣って怒られるほど魂抜けとった
今考えれば大事な時期に何してたんやろって思う
そんな俺を怒りながらもメンバーは元気づけようとろくにご飯も食べんと仕事以外引きこもってた俺を外にも連れ出してくれて
メンバーがおらんかったら絶対立ち直れてなかったし
俺もどうなってたか分からん。
特に相方の照史と、一緒に活動することも多かったはまちゃんや龍太にはめっちゃ迷惑かけてしまって
ほんま頭が上がらんわ
なぁ A ？
俺デビューしたで
いまどこで なにしてるん？
約束果たしたのに
A がおらな意味ないやん
そんな記憶に蓋をするかのように箱を引き出しの奥にしまった。
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にゃん(プロフ) - 更新嬉しいです〜〜！！完結楽しみにしてます！ (2023年4月6日 2時) (
レス) id: 6089ae5abc (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - nagatakumikoさん» コメントありがとうございます！感想とっても嬉しいです…励みになります！頑張って完結させるのでまた感想頂けると嬉しいです(*´`)♡ (2023年4月5日 22時) (レス) @page26 id: da36f43a6d (このIDを非表示/違反報告)
nagatakumiko(プロフ) - 更新お疲れ様です。この作品読んでます。つづき楽しみにしてます (2023年4月5日 21時) (レス) @page26 id: cc4ab27b52 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - カナコさん» ありがとうございます!!初めてコメント頂いてすっごく嬉しいです！ 気まぐれ投稿になるかと思いますが最後までお楽しみ頂けると幸いです (2023年4月5日 12時) (レス) id: da36f43a6d (このIDを非表示/違反報告)
カナコ(プロフ) - この作品大好きです、つづき是非まってます！ (2023年4月5日 4時) (レス) @page23 id: 6089ae5abc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のん | 作成日時：2023年3月31日 15時
