虎の威なんて借りたりはしない ページ42
｢なぁ､A｣
気怠げな声で名前を呼ばれ､なに。と返事をする
お酒が入ったグラスを傾け喉にグビクビと流し込みながらかるてっとの言葉を待つ
｢…いつから俺のこと好きなの｣
｢さぁ？いつからだろう｡｣
恥ずかしそうに言った彼に肩を竦めてそう返すと
彼は眉間にしわを寄せてごまかすなよ｡と少し機嫌を損ねる
別に言いたくないわけではない､只々恥ずかしいという気持ちが勝ってしまうだけ
彼の前では強がりたいと思ってしまうのだ｡
｢そんなに知りたい？｣
｢だって今までずっと親友として過ごしてきたじゃん｣
確かに彼の言う通り始めて会ったとき意気投合してから親友でいたわけで
彼から思えば何故、いつから自分のことを好きになってくれたのかは気になるところなのだろう｡
｢いつから好きなのかは正直曖昧だけど､かるてっとの隣にいるっていうのは有言実行してるね｣
｢そんなこと言ってた？｣
｢言ってる｡あんたもしっかり聞いてるよ｣
｢記憶にねぇんだけど｣
嘘はついていない｡
しっかり､はっきりとしるこさんやじらいちゃん､いちはちさんも含む四人は聞いている
『かるてっとの彼氏虎視眈々と狙ってます』
と。
あのときはふざけて言った言葉だが､言霊とはあるものだ。
現段階で彼の隣にいるのだから。
｢ヒント欲しい？｣
｢くれるなら欲しい。｣
｢うちがBintroolとしてびんとろ民が認めてくれた日｣
｢…もしかしてAが最初に出た配信？｣
｢思い出した？｣
｢確か､俺の彼氏狙ってますって言って自己紹介したよな｣
｢そう。有言実行してるでしょ｣
｢そのときから俺狙われてたんだ…怖いなお前｣
｢じらいちゃんには負けるね｣
目指さなくていいんだよ。といつの日かも言われたツッコミに口元が緩む
自分達の仲の良さは変わらないだと実感する
虎の威を借りはせず狐は､自分自身が虎になり獲物を狙うそんな狐になってしまった
元々それが狐の生態だ。
自分のことは自分で、そうやって生きてきた狐は優しい兎に惚れ込んだ。そして兎も狐に愛を注いだ。
獲物を狙った後、隣にいてほしいと願ってしまった
天敵に狙われた後、その願いに答えてしまった
そんな二人がどう過ごして行くのかは誰も知らない。
未来なんて見えはしないのだから、一秒先の未来に幸せがあると信じて歩いていくしかない
手を離さないようにしっかりと手を握って道を作っていこう。
後日譚Fin.
終わり
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李天(プロフ) - 天雨さん» 私の拙い文章で天雨さんの元気を出すことができ嬉しいです｡応援ありがとうございます！ (2023年3月27日 22時) (
レス) id: 82c62f24cf (このIDを非表示/違反報告)
天雨(プロフ) - この作品を読んで元気が出たような気がします。応援してます。 (2023年3月27日 17時) (レス) id: c9eb151fc4 (このIDを非表示/違反報告)
李天(プロフ) - ゆとりさん» ありがとうございます！もう少し続くので楽しんでいってください (2022年2月5日 21時) (レス) @page38 id: 82c62f24cf (このIDを非表示/違反報告)
ゆとり(プロフ) - 完結お疲れ様でした！ (2022年1月30日 21時) (レス) @page39 id: 71fcf47086 (このIDを非表示/違反報告)
李天(プロフ) - るるさん» 遅れてすみません！コメントありがとうございます頑張ります (2021年12月5日 20時) (レス) id: 82c62f24cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：李天 | 作成日時：2021年10月3日 22時
