猫を追いかけると兎を見つけた ページ40
今日で三度目｡
少し見慣れた煉瓦の建物が並ぶ路地裏を一人歩いていく
板チョコのような店のドアを開くと猫が飛び出してきた
思わず後退って猫が走っていく方向を突っ立って眺めるが
我に返り後を着いていく何かあったのだろうかいつもと様子が違った
何か伝えたいことがあるのかもしれないと無我夢中で走る
気づけばまた大通りに戻っていた
これでは猫を見つけるのは難しいかもしれない
でも諦めたくはない｡どこか胸騒ぎがする
きっと歩き慣れた道を歩いてるはずだと思い
数ヶ月前､猫が迎えに来てくれた道を進む
そこには､思った通りあのハチワレ猫がいた
一人の男性に撫でられている随分甘えた様子だ
珍しいなと思いながら近づいていく
男性もうちに気づいたのか顔を上げた
その瞬間双方､顔を見て目を見開く
｢…A？｣
｢なんでいるの…かるてっと｡｣
運命だと言えば聞こえはいいだろう
だが､ここまで来ると逆に恐怖を覚える
｢ちょっと用事｡で､どこの猫？｣
｢うちの知ってる店の子｡ドア開けたら急に飛び出して｣
｢追いかけたら俺がいたってこと？なにそれアリスじゃん｣
そう説明すると彼はケラケラと笑い猫を抱っこして立ち上がった
追いかけるのは兎ではないが確かに金髪の少女と似たような行動だ
初めて隣に人がいるこの路地裏を歩いていき
もう一度ドアを開いて店の中に入る
｢おや､今日はお連れさんも一緒なんだね｣
｢この子を追いかけたらそこで偶然会いまして｣
｢忘れられたお客様がいたから呼びに行ったのかもしれないね｣
そう言ってお爺さんが店の中を見渡して感嘆の声をあげている隣の兎に笑いかけた
驚いた様子のかるてっとを腕の中にいるハチワレ猫はからかうように目を細め見つめている
そして突然､これで役者は揃ったとでも言わんばかりに鳴いた彼女
さぁ､あのとき貴女と約束したお茶会を開こう
新たな客をもてなすために
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李天(プロフ) - 天雨さん» 私の拙い文章で天雨さんの元気を出すことができ嬉しいです｡応援ありがとうございます！ (2023年3月27日 22時) (
レス) id: 82c62f24cf (このIDを非表示/違反報告)
天雨(プロフ) - この作品を読んで元気が出たような気がします。応援してます。 (2023年3月27日 17時) (レス) id: c9eb151fc4 (このIDを非表示/違反報告)
李天(プロフ) - ゆとりさん» ありがとうございます！もう少し続くので楽しんでいってください (2022年2月5日 21時) (レス) @page38 id: 82c62f24cf (このIDを非表示/違反報告)
ゆとり(プロフ) - 完結お疲れ様でした！ (2022年1月30日 21時) (レス) @page39 id: 71fcf47086 (このIDを非表示/違反報告)
李天(プロフ) - るるさん» 遅れてすみません！コメントありがとうございます頑張ります (2021年12月5日 20時) (レス) id: 82c62f24cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：李天 | 作成日時：2021年10月3日 22時
