正夢でありますようにと願う君 ページ23
｢俺､キュンキュンする夢見たんだよね｡｣
とそんな話をいつもしているみたいに淡々と話し始めるかるてっと
困惑しながら相槌を打ち取り敢えず話を聞いてみる
｢俺がJKでAがDKっていう設定の夢｣
｢どんな設定だよ…それでどこがキュンキュンなの？｣
｢聞きたい？｣
質問してくる彼にうん｡と適当に頷いて話を促す
すると嬉しそうにまた話し始める彼の声を聞いて
これは長くなりそうだとペットボトルを傾けて喉を動かした
｢なんか俺とAが教室に残って喋ってるとこから始まんの…｣
｢どこがわかんないの？｣
太陽も沈む寸前オレンジ色の灯りに包まれ影を伸ばす
そんな教室で男子が女子の机に頬杖をつきながら面倒くさそうに聞いた
｢それが私もわかんないんだよね｣
｢帰るぞまじで｣
｢待ってよA冗談だって｡ここ､ここがわかんない｣
焦って慌てふためく彼女に溜息をつき彼はどれどれと教科書を覗く
自然と2人の距離は近くなり彼の長い睫毛が詳しく見え思わず見蕩れる彼女
すると突然頭をガシッと掴まれ視界に教科書しか見えなくなった
｢何見てんだよ｡お前が見んのは俺じゃなく教科書だろうが｣
｢はい､すいませんA先生｣
ここは､こうだとみっちり教えこまれ一時間すっかり日は落ち校舎から聞こえる声は少なくなっていた
彼は窓を見てふっ､と微笑み彼女を見るが彼女はどうしたんだと首を傾げる
｢お疲れ｡でもさ､実はお前勉強できるだろ｣
｢え…うん｣
｢素直かよ｡俺とそんなに二人きりになりたかったの？｣
｢はい｡下心丸出しで誘いました｣
｢ほんと素直だね？で､俺と何がしたいのお前は｣
彼は彼女に目線を合わせニヤリと笑いながら聞くと彼女は顔を赤くして願いを呟く
それを聞いた途端､
目つきが変わった狐は兎の腰を引き寄せ唇にかぶりついた
｢どこ見てんのかるてっと｡念願のキスだぞ？自分の瞼の裏じゃなく俺を見ろよ｣
唇を離してそう言った彼は現実世界のAの姿で彼女はかるてっとになっていた
というそんな夢を見たらしい
｢少女漫画でも読んで寝たの？｣
｢読んでないんだけどな…でもめっちゃキュンキュンして心臓破裂するかと思ったわ｣
｢ふーん､現実世界でもそうなればいいって思っちゃった？｣
｢え､当たり前じゃん｣
素直だな､なんて思いながら体を椅子の背もたれに預けて窓の外を見る
今日は今年初めての満月だ
兎が餅をついている全くなんのお祝いをしているんだろうかと狐は溜め息をついた
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李天(プロフ) - 天雨さん» 私の拙い文章で天雨さんの元気を出すことができ嬉しいです｡応援ありがとうございます！ (2023年3月27日 22時) (
レス) id: 82c62f24cf (このIDを非表示/違反報告)
天雨(プロフ) - この作品を読んで元気が出たような気がします。応援してます。 (2023年3月27日 17時) (レス) id: c9eb151fc4 (このIDを非表示/違反報告)
李天(プロフ) - ゆとりさん» ありがとうございます！もう少し続くので楽しんでいってください (2022年2月5日 21時) (レス) @page38 id: 82c62f24cf (このIDを非表示/違反報告)
ゆとり(プロフ) - 完結お疲れ様でした！ (2022年1月30日 21時) (レス) @page39 id: 71fcf47086 (このIDを非表示/違反報告)
李天(プロフ) - るるさん» 遅れてすみません！コメントありがとうございます頑張ります (2021年12月5日 20時) (レス) id: 82c62f24cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：李天 | 作成日時：2021年10月3日 22時
