猫被りの狐はもうやめた ページ20
｢もうすぐで今年も終わるね｣
周りを見渡すとどこも年末モードでどこからともなくお客さんを呼び込む元気な声が響いてきた
夜の街はクリスマスが終わってもイルミネーションがキラキラと輝き続けるようだ
それまでそれが眩しくて無意識に背けていた顔はちゃんと前を向いている
今思えばたった一年で自分が変わるなんて誰が予想できただろうか
｢一年って短いんだな…｣
｢今年は楽しかった？｣
｢お陰様でね｣
｢それはよかった…どう？自分に自信はついた？｣
少し早くこちらに帰省してきた先生が笑顔で聞いてくる
うちはそれに悩むことなく頷く
｢大切な人がたくさんできたしそれとうちを大切に思ってくれる人もいるってことも知ったら自信がないなんて言えないでしょ｣
｢話さないうちに随分たくましくなったねA｣
｢うん､猫を被るのはやめたから｣
悪戯に笑みを浮かべ先生と目を合わせると先生はふーん、と反応しうちと同じような笑みを浮かべた
｢…猫被ってたんだ？ああやって甘えてくれるAはもう居ないのか､悲しいなぁ？｣
｢まぁいい子ぶってたかな｡でもそれは健在だから安心していいよ先生｣
｢悪い子に甘えてもらうのもいいな…今日も甘えていいんだよ？｣
うちの頭を撫でる先生は仲のいい兄の様に聞いてきた
その手つきは人懐っこい猫を撫でるようで早速甘えてやろうかという気分にさせる
｢じゃあ大切な人へのプレゼント一緒に選んでくれない？｣
｢隣に俺いるのに他の人のこと考えるのは罪すぎでしょ｣
悔しそうな顔をして言う先生に少し意地悪なことをしたかなと思いながら
先生を見ると海の色をそのまま移したような綺麗な色のマグカップを手に取り眺めていた
｢これいいじゃん｣
｢確かに綺麗…それにしようかな｣
｢でもそれ完全に俺の好みだけどいいの？ちゃんと選びなよ｣
｢別に｡大切な人へのプレゼントだし大切な人が自分で選んだ好きなものプレゼントしてあげたいじゃん？｣
そう言うと先生は口元を抑え俯いた
それを見て今日も勝ったと笑みを零し俯いた先生の顔を覗く
｢他には何か欲しいものありますかお兄さん？｣
｢はぁ…ほんとずるいよね｣
｢よく言われる｣
綺麗に包んでもらったマグカップを先生に渡しお辞儀をする
｢一年間お世話になりました｡そして生まれ変わったうちを見ててください｣
｢こちらこそありがとう｡勿論､楽しみにしてる｣
顔を上げると嬉しそうに笑う先生がいた
期待に応える準備はもう十分だ
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李天(プロフ) - 天雨さん» 私の拙い文章で天雨さんの元気を出すことができ嬉しいです｡応援ありがとうございます！ (2023年3月27日 22時) (
レス) id: 82c62f24cf (このIDを非表示/違反報告)
天雨(プロフ) - この作品を読んで元気が出たような気がします。応援してます。 (2023年3月27日 17時) (レス) id: c9eb151fc4 (このIDを非表示/違反報告)
李天(プロフ) - ゆとりさん» ありがとうございます！もう少し続くので楽しんでいってください (2022年2月5日 21時) (レス) @page38 id: 82c62f24cf (このIDを非表示/違反報告)
ゆとり(プロフ) - 完結お疲れ様でした！ (2022年1月30日 21時) (レス) @page39 id: 71fcf47086 (このIDを非表示/違反報告)
李天(プロフ) - るるさん» 遅れてすみません！コメントありがとうございます頑張ります (2021年12月5日 20時) (レス) id: 82c62f24cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：李天 | 作成日時：2021年10月3日 22時
