白くなった世界ではもう隠し通せない ページ14
窓の外を見ると風に乗って雪が地上に舞い降りている
朝には白銀の世界が広がっているのを想像し思わず身震いをした
｢Aちゃんってなんというかあれだよね〜いちはちさん？｣
天真爛漫なじらいちゃんの声により現実世界に引き戻される
｢そうだねあれだよね｣
｢やっぱりそう思うよね｣
二人は私を話題にしてなにか話している様子
だが､いつもと違いどこか芝居めいた会話
｢私がどうかしましたか？｣
｢よくぞ聞いてくれた！Aちゃん｡そう､君ははっきり言ってずるいのだよ｣
｢じらいさんそれははっきり言い過ぎじゃない？｣
胸を張って私に言うじらいちゃんとそれに対し不安げないちはちさん
別にじらいちゃんに言われた『ずるい』の言葉に心を痛めたりなんかしない
むしろ分かっている私はずるい人間だ
｢ぶっちゃけAちゃんかるてっとさんとはこたろーさんのこと気づいてるでしょ｣
｢…分かってるよ｣
かるてっととはこたろさんが私に向けている気持ちは単なる友達に向けるものでは無く
それに対し私は分かっている上でその気持ちを自分がノンバイナリーだという勝手な理由で無視していること
予想通りこれについての質問だった
｢分かってるなら二人が可哀想だと俺は思うよ個人の意見だけどね｣
と､いちはちさんが優しい声で言う
きっと私が無視している理由を理解している上での言葉だ
それに思わず目頭が熱くなるが甘えてはいけないとずるい人間は首を振る
｢Aちゃんはさ二人のことどう思ってるの｣
｢二人は私にとって大切な親友だし家族とも思ってるよもちろんBinTRoLLの皆のこともね
だから私は二人に限らず皆のことそういう目で見れないそんな感情何処かに置いてきてしまったから｣
私は自分が女でも男でもないと自覚したときに人と恋愛が出来なくなった
これが自分の今までの悩みを打ち消す代わりの代償
｢仲が悪くなるかもしれないかも俺らの空気が悪くなるかもって思ってるんでしょ｣
じらいちゃんのその言葉に小さく頷く
｢そんなことないと思うなじらいちゃん｡だって二人ともあんなに優しいんだよ？｣
｢きっと分かってくれるんじゃないのAのこと好きになったのなら｣
幼い子供に話しかけるように優しく声をかけてくれる二人に胸が熱くなる
ふぅ､と息を吐き心に決め口を開く
｢話すよちゃんと面と向かって｣
ボイスチャットじゃなくて目を見て言いたい今までのごめんなさいとありがとうを｡
だから待っててこのずるい人間のこと
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李天(プロフ) - 天雨さん» 私の拙い文章で天雨さんの元気を出すことができ嬉しいです｡応援ありがとうございます！ (2023年3月27日 22時) (
レス) id: 82c62f24cf (このIDを非表示/違反報告)
天雨(プロフ) - この作品を読んで元気が出たような気がします。応援してます。 (2023年3月27日 17時) (レス) id: c9eb151fc4 (このIDを非表示/違反報告)
李天(プロフ) - ゆとりさん» ありがとうございます！もう少し続くので楽しんでいってください (2022年2月5日 21時) (レス) @page38 id: 82c62f24cf (このIDを非表示/違反報告)
ゆとり(プロフ) - 完結お疲れ様でした！ (2022年1月30日 21時) (レス) @page39 id: 71fcf47086 (このIDを非表示/違反報告)
李天(プロフ) - るるさん» 遅れてすみません！コメントありがとうございます頑張ります (2021年12月5日 20時) (レス) id: 82c62f24cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：李天 | 作成日時：2021年10月3日 22時
